波山と役者・榎木孝明
2006.06.13
陶芸の魅力
粘土を丹念に練り、手やヘラで形を整え、非常な高温の窯で数時間から数日間、焼く事により陶芸が完成します。いわゆる「陶磁器」の事です。祖母は「焼きもの」と呼んでいました。
毎年ゴールデンウィーク期間中に茨城県の笠間で「笠間焼き」と言う、とても庶民的でまた田舎っぽくて賑わいのある陶器市が在ります。笠間周辺で笠間焼きに生きる総勢220人の陶芸家、窯元、地元販売店が個性豊かな作品と広大な公園の中に即席のお店を作り、「手作りのお祭り」を来場者と一緒に楽しもうという魅力的な市です。
この市の名を「陶炎祭(ひまつり)」と名付けています。ここに数年前から毎年出かける事にしています。そして、毎年思わぬ拾い物をしてきます。
〔ひまつりのポスター 会場は芸術の森公園〕
〔毎年近隣の小学生が陶器でお面を作ることが恒例になっている。可愛いお面が多い〕
実はその「陶炎祭(ひまつり)」の事はすっかり忘れていましたが、先日「HAZAN」という映画を見て感動し、合わせて陶器という東洋の神秘的な造形品に心が動きました。
この映画は板谷波山が焼き物を芸術として評価されるまでにその志から苦難の末、世に問う作品を完成するまでを描いた作品です。
監督は実在の人物の描写に定評のある「五十嵐匠」が担当しました。
特にキャスティングがものすごく的を得た配役でした。
中心人物の板谷波山を主演の「榎木孝明」が好演しました。まるで波山の魂が榎木孝明に乗り移ったが如く陶芸家と言う真髄に迫っていました。
また、妻役の南果歩のおっとりしたなかに芯の強さを窺わせる演技も冴えました。そして、圧巻は何といっても「康すおん」の陶芸職人役です。それはもう神かがっていましたね。とても感動しました映画でした。是非DVDが欲しいです。
〔榎本孝明扮する板谷波山が苦難末、会心の作が出来上がりひっそりと眺めているシーン〕
このシーンはとても心に残るものでした。全く台詞の無いシーンですが榎本の役者の深みを感じる演技でした。
■HAZAN
配給会社 2003映画波山製作委員会
上映時間 108分
監督 五十嵐匠
出演者 榎木孝明 南果歩 康すおん 柳ユーレイ 寺島進 長谷川初範 大鶴義丹
飯島大介 田中美里 中村嘉葎雄
板谷 波山(いたや はざん)
1872年4月10日(明治5年3月3日) - 1963年(昭和38年)10月10日)
明治~昭和期の日本の陶芸家。日本の近代陶芸の開拓者であり、陶芸家としては初の
文化勲章受章者である。
役者・榎木孝明は学生時代から料理好きだそうです。妻とともに食事の用意をし、買い物も一緒に出かける程らしい。鹿児島出身で高校卒業後、武蔵野美術大学に在学中に役者に転向。楽しみは年に数回のスケッチ旅行とか。各地で水彩画の個展を開くほどの腕前で、映画でもその一端を窺わせるシーンが随所にありました。最近は「新しいものと古いものが入り交じった中国」に夢中で、北京、上海、西安、大連へもスケッチ旅行に出かているとか。
〔監督・五十嵐匠と役者・榎木孝明のコンビでの次回作・「アダン」でスポンサーはDHC〕
近々公開予定の映画「アダン」(五十嵐匠監督)では、天才的な日本画家、田中一村(いっそん)役でまたも役者の真髄を好演する事でしょう。撮影は昨年の夏で1か月間を鹿児島・奄美大島でロケしたとのこと。
役者は好きでなければできませんね。真夏の奄美大島ですよ。
その上演技の為にランチのみ取り15キロ体重を落とした様です。体重を落とすのはやはり食べないことに尽きます。ダイエットできない方は役者・榎木孝明の精神を見習ったら。過激な仕事にランチだけで本当に生きていられるか? とも思いますが。
ともかく、監督・五十嵐匠と役者・榎木孝明のコンビ作「アダン」を見てみたいものです。
■参考 板谷波山 記念館
http://www2j.biglobe.ne.jp/~hwada/index4a.htm
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