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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

ペリー提督と楽天のその後は!?

2005.12.13

さて、前回の続きです。

まだ「国交の無いTBS」に対して「楽天はどの様な情報」を得ていたのでしょうか? ペリー提督には「ねじ伏せる戦略」以外にカードがあったのでしょうか?

国交の無い楽天には相手のTBSがどのような経営的風土を持ち、またどの様な外交政策を持っているのか、十分に情報を得るルートを持っていたのでしょうか?
その様な状況下では「第三者の知り得た情報」の元に「仮説」を設定し、何度も「机上演習」を行うほか方法はありません。この時、幕府もペリーもこの「間接情報」を得ていましたが、実は圧倒的幕府側の方が「量的にも質的」にも高かったと言われています。

当時の幕閣の中でも首座である阿部正弘は「オランダ国王の親書(44年手交)」「オランダ商館からの聞き取りレポート「和蘭風説書(オランダふうせつがき)」」「唐商館からの聞き取りレポート「唐風説書(とうふうせつがき)」」等のホット・ニュースを入手先から定期的な情報を得ていました。
また、「漂流民・ジョン万次郎」からの米国の国状、気質、等を直接的な表現で情報収集と「オランダ商館長の助言」等々多くの状況情報を得て、「米国軍艦来日の予測と目的」を的確に理解していました。更に漢語、オランダ語の通詞と英語を話すジョン万次郎というカードも持っていた事になります。但し、阿部には国禁という大きな壁が存在し、天皇や御三家、有力大名の意思を無視して強権の発動は難しいという行政上の枠がありました。

一方ペリーはというと、ペリーには多くの複雑な事情がありました。
まず、数年前に終息した米国とメキシコとの戦争(世に言うメキシコ戦争)で残った「大型汽走軍艦の再利用」と「リストラを含む軍縮問題」にどの様に対処するか。軍艦の実践の用途が少なく一部郵便船に転用していました。次にフィルモア大領の権力。彼はタイラー大統領の死去に伴い副大統領から選挙を経ずに昇格し残り任期が二年半あり、議会統治できず行政内の権限内で全ての問題を解決しなければならない立場でした。ですからペリーには時間があまりありません。それと中国問題が全て解決していない為に艦隊から一部軍艦を割かなければならない。さらに、ペリーは日本に対して「発砲厳禁」命令も大統領から受けていました。大砲は打てなかったのです。

企業統治の経験が豊かで判断力のある人の場合は、「収集した情報と仮説と強い意志」によって物事を成功させる確率が高いと思われます。しかし個人の経験や意思と「企業間レベルの経験」とは自ずと性質が異なるり「仮説」もまた多くのパラメーターがかみ合いパズル化してしまいます。
特に一方の思惑で活動した場合、「片方の経験・仮説・判断・行動」の微妙な関係により、事が中々決まらないものです。この場合双方の「企業力学」が作用し、結局思わぬ方向へ流れていくケースが多いと感じます。「楽天とTBS」「ペリーと阿部正弘」はどの様にこの不可解な問題に内政・外政に対処したのでしょう。

楽天はペリー提督のように黒船四隻の最も効果的な交渉材料を最初に使います。それがTBS株を20%近くを短期間に買い増し、大株主として「経営統合」をプロポーズしたし外交手法なのでしょう。
しかし、最初の驚愕から立ち直ったTBSは阿部正弘の様に「長い歴史の幅と深みである企業統治力」をその後発揮する事になります。その後ペリー提督と老中首座・阿部正弘は一年以上の期間をかけて死力を尽くします。最後には直接対決と交渉で条文の決着を見ることとなります。

ペリーの役職は「アメリカ合衆国特命欽差大臣専到日本国兼管本国師船現泊日本海提督ペリー」とう長ったらしいものです。しかし、彼は米国を出るときに大統領から任命を受けたのは単に「アメリカ東インド艦隊司令長官」でした。それが東洋に着いた時点で勝手に「中国・日本海域」と権限を加えてしまうのです。
その後更に「特命欽差大臣」を加え、前述の役職名を名乗り、権限を拡大してしまうのです。この「現地裁量性」の気質が少しばかり「日米修好通商条約」を有利に運べたのでしょう。

マシュー・カルブレース・ペリー(Matthew Calbraith Perry)は日本遠征を決意したのは58歳でした。十分に引退できる年齢です。
この年齢で地球を半周する船出を決行し、人智を尽くして契約締結にこぎ着けた「情熱」はいったいどこから生まれたのでしょう。彼の死去は1858年3月4日(ニューヨーク)で享年64歳でした。

また、三木谷さんが「一文無しになってもやりたい事」の真髄とは何だったのでしょう。三木谷楽天は更に業績を伸ばし再度「その情熱」を見せて欲しいと念じています。

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