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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

パナマ運河と地球温暖化

2005.08.12

問題は24㌢の落差です。
昨日スエズ運河のブログを書きました。今日はパナマ運河です。スエズ運河の開通から遅れる事、約50年、資金的障害、工事工法等の難度の高い障壁、政治的等々の多くの障害を越え1914年8月15日に開通しました。この運河開通によって例えば東海岸の米国エリアから日本へ東廻りで向かうとき約3,000マイルの短縮航海となる。またエクアドルからヨーロッパへバナナ・ボートが向かうとき、約5,000マイルの儲けとなる。パナマ運河はスエズ運河の様に出口と入り口の海面差はありませんが、パナマ運河は太平洋側のほうが大西洋側より海面が24l㌢高くなっています。運河の上下の交換地点として人口の湖を造成し、その豊富な降水量を利用し、標高の高い部分を船の水位を上げて通過させるためにドック(閘門(こうもん))を採用しています。パナマ運河の大西洋側からアプローチする場合は、カリブ海からターミナル港→ガッツン・ドック→ガッツン湖→ゲイラード・カット(渓谷)→ペデロ・ミゲル・ドック→ミラ・フローレス湖→ミラ・フローレス・ドック→太平洋側ターミナル港となります。ドック(閘門)のサイズにより、パナマ運河を通過する船舶のサイズは、船幅で32.3㍍以下、水深で12㍍以下に制限されています。パナマ運河を通過できる船の最大のサイズを「パナマックスサイズ」と呼んでいます。特に第一次大戦後軍艦を縮小する軍縮会議をやりましたが、一番大きな旗艦をパナマックスサイズを前提とした事は有名ですね。現在のパナマ運河はパナマ共和国が管轄していますが、ドック式による船の幅と水深の限界や大型船舶の通過を可能とするため、2010年を目指して第2パナマ運河の建設が計画されています。

パナマ運河は太平洋側のほうが大西洋側より海面が24㌢高いことを説明しました。その落差の調整はドックと人造湖の無尽蔵な水によって成し得ています。一番高度のある人造湖のガッツン湖から最初のドックに水を注水し、満水になったら次の高さのドックへ移動し、完了後ドックの水を放流し、最後は大西洋に注がれる事になります。問題はこの人造湖の水が無尽蔵にあると言う事が前提ではなくなった事に起因します。近年森林破壊が進み運河周辺の保水力が落ちてきており、数年後毎に発生するエルニーニョによる少雨の影響もあって喫水制限を余儀なくされました。喫水制限というのは以前ブログにも書きましたが、荷物を積む量を減らし、喫水を上げることです。要はあまり沈まないようにしなさいと言うことです。地球温暖化はここまで影響が出ています。 また、この運河はとても保守をこまめにする必要があります。この様な大規模でしかも複雑なオペレーションには、長い経験と高い保守技術が必要です。主要水路の定期的な浚渫作業により年間を通して乾季の間でも39.5フィートの最大水深が確保されてい様です。これだけでも大変な作業量です。

無尽蔵な地球、無尽蔵な森林、無尽蔵なガッツン湖!!では無かったのですね。

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コメント

わたなべさんのBLOGは世界の海、船の話題が多いので、旅をしている気分になります。
"人生の目的は結局旅なんだ"といったのは、小生のメンター、佐藤富雄先生(http://www.tomilog.com/)ですが、その言葉を思い起こしましたね。

投稿者 koichi : 2005年08月15日 17:26

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