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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

勘違い

2005.08.25

グローバル化の先駆者はおっちょこちょい!
先日地下鉄の改札を入り、ホームの降りたとたんに電車が来ました。「おっ~と。ラッキー!」で乗り込んだ電車は反対方向でした。今月二度やりました。間違えても電車はすぐに来て時間を取り戻せますが、そうでない場合もあります。以前ブログに書いたコロンブスの勘違いを少しお話します。彼は計四回の大航海を経験しますが、この最初の航海で勘違いの連続で、でも新大陸発見をします。そもそも彼の「マスタープラン」は十年を費やしたきちんとしたプロポーザルでした。
そして、このプロジェクトの最も重要なポイントは実は「数学」でした。
平たく言えばアンダルシアのパロス港から「ジパング」と「インド」へたどり着ける総航行距離数が必要なのです。闇雲に行きません。船も人も食料も、そもそも目的もあるわけですから。コストです。提案書に投資金額と用途もきちんとうたっています。勿論最も注目する「投資対効果」も。その当時「平ら」から「丸い」の実証はだれも成し遂げていませんが、学者たちの間ではどうも「球体であろう」ということは広まっていました。そこで問題なのが地球の「円周距離」と「陸地と海洋の比率」です。あの時代にそんなのわかりっこないと思いますよね。僕もそう思っています。いました。
コロンブスの愛読書というのがあります。ピエル・ダイイ著「世界の姿」〔1480年〕です。このピエルさんは地球の経緯度各1度を56ミリャ三分の一と計算したアラビアの地理学者アルフラガーノ(九世紀)の説を採用し組み立てています。このロジックで言うと円周を二万400ミリャとしています。このミリャという単位ですが、1アラビア・ミリャで1973.5メールに相当します。面倒なのでこれからはメールで行きますが、このアルフラガーノさんの計算ロジックで言うと円周は40,259キロ㍍となります。実際の地球の円周は40,053キロ㍍です。
信じられない!!!殆ど、どんぴしゃです。

五百年も前に地球規模でビジネスを考えていた壮年のベンチャー起業家はその計算をどうも勘違いをしたらしい。文献によると彼はアルフラガーノが使っていたアラビア・ミリャイタリア・ミリャ混同し、その結果地球の円周を30,414キロ㍍と実際より1万キロ㍍以上も小さく見積もってしまいました。
そしてもう一つのパラメーターは「陸地と海洋の比率」です。これは聖書の旧訳外典「エズラ書」から六対一を割り出しています。
彼はヨーロッパの西端にあるカナリア諸島からまだ見ぬ東方新大陸周辺の群島まで4432キロ㍍と算出しています。本来は5,920キロ㍍と計算すべきだった。んです。
そして最初の陸地を見たのはカナリア諸島を出てから37日目の10月12日(金)のことでした。三隻の乗組員のストレスともう帰ってこれないのではと言う恐怖感との相乗効果で暴動寸前でした。着いたのは陸地でなく小さくグアナハニー島という島でした。

彼の「マスタープラン」は十年を費やした「きちんとしたプロポーザル」で合ったが故に国王も資金を提供した投資家も三隻の船の夫々のオーナーや船員たちも期待をしたのです。IPOはまだか?!と。が故に、第二回目の航海から事業経営をドライブしていく事に、焦り、苦悩し、失脚し、また復権するという起業家の歩みを自らを鼓舞しながら進んで行くのです。今と殆ど一緒!

 

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