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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

秋刀魚解禁

2006.10.15

秋の魚は美味しいものが多いです。

イワシ〔鰮〕、サンマ〔秋刀魚〕、サバ〔鯖〕、カツオ〔鰹〕等々キリが無いほどたくさんあります。
この中でカツオ以外は大衆魚です。といっても昨今の漁獲高を考えるとだったと言うほうが正確ないい方でしょうか?
さて、美味しさが伝わる言い方として季節感を出した呼び名で呼ぶ様になったのはいつごろからでしょうか?
◇秋イワシ
◇秋サンマ
◇秋サバ

昔からイワシの産地は千葉県の銚子や宮城県の石巻が有名でした。ここ数年のイワシ漁獲高の激減は市場価格へ跳ね返っていますが、もとは大衆魚です。捕獲されているイワシも年々「小型化」しているとの見方もあり明らかに先行きの不漁を暗示するものとなっています。

イワシの種類は多くあるようですが「マイワシ〔真鰮〕」「片口イワシ」「潤目(うるめ)イワシ」の三種類が一般的です。このうち、マイワシは中々食べる事はできなくなりました。お目にかかるのはこだわりを持つおやじが経営するおすし屋さんや小料理屋くらいです。
子供の頃は良く母が父の為に「真鰮の刺身」や「真鰮の焼きたてに大根おろしを添えて」出していました。父はそれを美味しそうに晩酌をしながら食べていましたが、自分のお皿の半分くらいは祖母へ上げているのを目にしたことがあります。
祖母は僕に豆コーヒーを淹れるようにせがむほど「ハイカラ」でしたが、イワシが大好きな人でもありました。そのことを知っている父はいつも祖母に多くを分けていたのだと思います。
最近は僕の田舎でもイワシの「お刺身」は食べれなくなりました。
残念でなりません。

片口イワシはやはり「煮干」の代表格で、刺身や焼き魚では頂けない味です。それでもこの時期には脂が乗っていますので、なんとか「丸干し」程度にはできるでしょうか。
でも味噌汁やお吸い物には無くてはならないものでした。最近は科学調味料ですよね。
それから、
丸干しとなるとやはり「潤目イワシ」が最高です。四国では一般的でも関東には多くは回遊しないようです。しかしこの時期の「潤目イワシ」は最高です。脂ののった一夜干しのウルメは本当に最高に美味しいイワシです。
これも中々お目にかかれなくなりました。
これからイワシはどうなるのでしょう。

そして、「秋サンマ」ですが唯一庶民の僕らでもまだ十分に食べれるようです。

漢字の秋刀魚は頭に「秋」がつくほどこの一年で最も美味しいシーズンを迎えている訳です。
サンマの解禁日は一般的には8月の中旬から下旬に行われます。
サンマは傾向として8月の始めに道東近海に姿を現し、秋に向かって南下を開始する様です。
これを捕獲する為に100㌧前後(このクラスが秋刀魚漁の大型船となります)のサンマ専用船に仕立てて漁場に向かいます。
今年のサンマ漁は、昨年に引き続き豊漁予報が出ている様です。
昨年は、豊漁予報があったのにも関わらず「大型魚」の割合が多すぎて、結果的には価格が暴落し関係者を落胆させました。今年の魚体は小型船の「流し網」では大・中・小と比較的バランスのとれた大きさだったようです。これで、まずまず安心です。
しかし、船主としては昨今の原油高騰のあおりで「燃料費の高騰と採算ライン」は経営としては「やってみなければ分からない」といった按配でしょう。
とても難しい判断です。
原油高騰はあらゆる生活空間で影響が出ていますね。それは弊社のサービス事業の原材料の「紙」にも出始めました。今後はその影響が加速されるのではと危惧しています。


これは生前父から聞いた話ですが、
サンマはイワシ同様、大量捕獲の漁法を使います。
大量捕獲の漁法はいくつか在りますがここでは割愛します。サンマの大群を大量捕獲する合理的な方法ですがひとつ難点(資源保護は別にして)があります。
最終的にはサンマの大群が小さな袋網の中に追いやられるのでサンマ同士が接触し大量のウロコが落ちます。それをサンマ自身が飲み込んでしまい胃や腸の一番美味しいところにウメコが溜まってしまうということです。
勿論大量捕獲をしない小型船でよく使う「刺し網漁法」を使えば魚体に傷の少ない美しいサンマを食べる事ができます。数が少ないのは当然ですが。

もうだいぶ経ってしまいましたが、先日知人と会社の近くの「籠や」で秋の本格的なサンマに出会いました。店主自ら焼く「秋サンマ」は格別でした。
やはりサンマは庶民の味です。
一匹で十二分に「秋の味覚」と胃袋を満足させてくれます。
この「籠や」は赤坂という立地条件にも関わらず良心的な料金で有名です。有名なことは料金だけでなく定番、季節物全てに店主のこだわりのある「味」が込められています。味も価格もサービスを担当する二人のご婦人も「いついっても気持ちのいいお店」です。

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