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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

ダ・ヴィンチ・コードとキーストーン

2006.04.23

映画のロードショウまでは「絶対に読みきる!!

三ヶ月ほど前知人と久しぶりにランチをしました。
その時の話題は「ダ・ヴィンチ・コード」一色です。一冊の分厚い単行本をテーブルの左に置き、その「語り」は途方にくれるほど長々とした物でした。語りながら如何にこの本が面白く、さらにその映画化の配役が素晴らしいかと、その度に左手で分厚い単行本をコツコツ叩くのです。昨年出版されたこの書籍はあっと言う間にベストセラーになったようです。僕はこの知人から聞くまで全く知りませんでした。その時の僕は勿論ランチにのみ興味があり、本の題名さえも記憶にありませんでした。確か話の途中で「そんな分厚い単行本でなく、文庫になったら読みますよ」と言い逃れた記憶があります。
そして、50分のランチが終わり別れ際に聞きました。
ところで「そのぶ厚い本だけど、もう何ページ読んだんですか?」と聞くと、
知人曰く、少し照れて「うぅぅぅん、と。まだ15ページ」
「はぁぁ」と僕が呆れ顔に「敬礼」して帰途につきました。

「ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに『ダ・ヴィンチ』の最も有名な素描<ウィトルウィウス的人体図>を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーバード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた死亡している館長の孫娘で且つ暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く…。」と言うのが上・中・下に分冊された文庫本ダ・ヴィンチ・コード」の最初の数ページのあらましです。5月に公開される映画では、主役のハーバード大学教授ロバート・ラングドンは「トム・ハンクス」だそうです。相手の女性役で暗号解読官ソフィー・ヌブー役は〔アメリ〕のオドレイ・トトゥです。そして、この物語をより引き立てるベス・ファーシュ刑事役に「ジャン・レノ」と言う事で、くだんの知人が「一押し」した意味が四ヶ月を経てやっと理解できました。

鹿児島市内、中央を流れる甲突川(こうつきがわ)に川上から玉江橋(たまえばし)新上橋(しんかんばし)西田橋(にしだばし)高麗橋(こうらいばし)武之橋(たけのはし)と、石造りでアーチ状の目がね橋が架かっています。実際には架かっていましたと言った方が正確です。以前、鹿児島大学を訪問した時にその一つの「西田橋」を見学した記憶があります。とても美しい洗練された橋でした。僕が訪れる少し前に「新上橋」と「武之橋」が台風によって流出してしまったので当時は三つの石橋群でした。この五つの目がね橋は江戸時代末期に薩摩藩第8代藩主島津重豪が着想し、当時石橋作りでトップクラスの技術と技能集団を抱えていた肥後の石工の手によって着工から完成まで五年で終えています。
武之橋(たけのはし)のみ「5連アーチ橋」で他の四つの橋は「4連アーチ橋」です。当時木材は豊富にあったと想像し勝ちですが、植栽技術もまだ十分でなく、火事も多く、その意味では藩の厳重管理された統制材であったのです。一本伐採したら「首飛ぶ」程の重罪です。その点、石は多量にあり、統制外だったということです。
この肥後の石工の石工頭は「岩永三五郎」です。新劇で上演される「肥後の石工」の題材の人です。この石工の技術は清正が朝鮮征伐時に陶工と一緒に石工を連れた来たのが始まりと言われています。特に熊本城の石垣の「武者返し」の美しい〔そり〕は朝鮮人の技術者集団からの技法だそうです。実はこの技法のルーツはローマ帝国だそうですが。
この技法を学んだ「肥後の石工の岩永三五郎」が石ひとつひとつの重さによって、益々強さを増すように力学的に計算された技法で石だけで作る「アーチ型の目がね橋」を考案したと言われています。

鹿児島の石橋群の中でも「西田橋」は鹿児島城下の表に面していましたので「参勤交代」の行列のメイン・ロードに当たります。なので五つの石橋の中でももっもと大きく格式の高さを誇っています。その上、この石橋には銅製の「擬宝珠(ぎぼうじゅ)」があります。擬宝珠というのは伝統的な建築物の装飾で橋や神社や寺院の階段、回廊の手すりの柱の上に設けられている飾りです。但し、江戸時代には武家ご法度で擬宝珠等の装飾は「」により細かく制限されており「中納言」以上とされていました。見栄っ張りの「島津重豪」さんは官位が低かったので、石橋と擬宝珠別々の年代で作成されたと記憶しています。

「ダ・ヴィンチ・コート」に登場するシラスが秘密を知る四人から同じ答えを聞き出し「キーストーン(要石)」を探すシーンがあります。サン・シュルピス教会のローズ・ラインの下にある事を信じて。
この「キーストーン」ですが、実は甲突川の五つの目がね石橋にもあったと伝説化されています。どの橋も中央の一つの石〔キーストーン"要石"〕を取り外すと石の加重バランスを崩ずれ、次々に石が崩れ落ち、最期には橋全体を簡単に取り壊せる仕組みがあったとされています。敵が攻めて来た時の備えです。木造の橋であれば「焼切る」と言う事になるのでしょうか。ただし、この要石の秘密を守るために石工たちは工事が完成すると「永送り(ながおく)」と言って人目につかないようにあの世に送ると言うことです。

甲突川の五つの目がね橋はその後、有識者の提案により残った三つの石橋を移設することに決定したそうです。2000年に開園した石橋記念公園に、「玉江橋、西田橋、高麗橋」が移設保存されているとのこと。機会あれば是非見たいと思います。他の流された二つの石橋は今のところ復元の目処は立っていないそうです。

次回知人に会うときに「ダ・ヴィンチ・コード」の本と映画の話をしたいと思います。知人が分厚い単行本を読みきっていたら。
ルーヴル美術館の「グランド・ギャラリー」は予約で一杯だそうです。ミーハーは日本人だけではなさそうですね。また、キーストーンと要石は言葉は同じでもその意味するところは東西では趣が違いそうです。

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