BrainSellers.com

Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

楽天のTBS収益見通しプラン

2005.10.22

『TBS 週明けにも楽天に収益見通しなどの質問書提出』

TBSは21日、週明けにも楽天に対して、「経営統合提案」に関する質問書を提出する方針を明らかにした。楽天の提案書にあるネットの双方向性を利用した番組など、新規事業の具体的な「ビジネスモデルや収益見通し」の説明を求める。国重惇史副社長はTBSへの統合提案について、「我々にはアクションプランがある」と述べ、提案書とは別に、TBSに具体的なプランを追加提示する用意があることを明らかにした。

コロンブスの収益見通しプランの「インディアス事業計画書」の内容が気になります。楽天の「統合提案」はもっと気になりますね。一般的には計画はあくまで計画で実施ベースで変更・修正を余儀なくされる事は良くあることです。当たり前のように。計画自体を大幅に見直すことも良くあります。それが「事業」であり「実業」であると思っています。

コロンブスの第二回目の航海は「黄金の国・ジパング」や「香料と奇異なる産物」に目のくらんだ騎士、郷士など大勢の人々が詰め掛け、希望者を選定しなければならないほどの盛況ぶりだったそうです。しかし、その渡航者たちは「黄金や香料」を手に入れることが出来たのでしょうか?

このインディアス事業計画書は現在でも十分に納得できる事業計画書です。勿論それがホントのジパンク゛やインドであればの話ですが。非常に少ない情報しか得られない彼らの時代は殆どが「仮説」で動いています。彼も独特の「思い入れ」と「経験とカンと仮説」なんです。クリストファー・コロンブスはカトリック両王から全権を委任された「提督兼総督」です。船隊の編成から報復の航海、現地での生活、黄金や香料の交易権など全てに対して指揮・監督・命令できる立場でした。では渡航者は言うと本人達の意思は別として、出発から帰着までの全期間、コロンブスの指示に従い、一切の個人的な生活・交易等の自由は全く認められていなかったのです。このプロジェクトはカトリック両王の「全額出資の事業体」で、事業収益の10分の9を王室が取り、残りの10分の1と、もし仮にコロンブスに資金があれば、新たな事業の出資に関して8分の1の出資権があるだけなのです。このプロジェクトの利益は全て王室とコロンブスとの間で配分され、渡航者には一円も配分がありません。あるのは、事業経費として人件費である給与が支払われるだけなのです。当然の事ながらこの計画の細部について説明のないまま渡航者たちは名簿に登録し、彼らに忠誠を誓い、給与の前渡しを受けるのです。殆どの人は「手付金」ぐらいにしか思っていなかったお金が実は給与である事を現地で知り、期待値があまりにも大きいが故に不満となり、潜在的な時限爆弾を船団に積み込んだ事になります。

そして、事業計画に無かったことが多く起こります。当然未開の地ですし、今のように情報が事前に在って渡航しているわけでもありません。一つは原住民との険悪な関係です。少数の優和な部族と大部分の戦闘的な部族がいました。彼が再びナビダーの居留地に到着した時には先発隊の全員が死亡していました。その後新しい居留地建設での苦労や大量の病気と交易の行為よりも事前の準備に多くの時間と投資を余儀なくされていきます。その間にも戦闘的部族との衝突により渡航者の減少が起きました。インドまたはジパングを探すための特別任務の航海もジャマイカを発見はしましたが、本来の目的は果たせませんでした。当然です。ないんですから。そして食料難が渡航者の気持ちを排他的にしました。待望の金も少量発見できたのみで、その後両王が期待するほどの量は採れませんでした。「インディアス事業」を継続するには「交易」が必須です。しかし、「交易する商品」がありません。そこで手を付けたのが後年悪名高まる「奴隷交易」でした。こうしてこのプロジェクトはマイナス・スパイラルが加速していくのです。
当然カトリック両王の投資も加速して行きます。投資家としては気が気ではありません。何とかしなければより投資が嵩み、元手が帰ってこない事も予想されます。そして遂に「給与の支払と食料の補給」の観点から「インディアス事業」への財政負担に歯止めをかける行為に出ます。それもコロンブス抜きの決定です。この決定は彼の特権を最小限度の権利に留め、今で言う「自由化政策」に切り替えます。勿論両王の懐には交易の利が残る方式にしているところが投資家の発想です。

自分抜きで決定されたこの発令をコロンブスは新たな渡航者によつて知り、帰国することになるのです。このときの彼はどのような気持ちであったのでしょうか? この帰国船に300人程度の希望帰国者が同乗していました。帰国後投資家との追加ファンドと支援を依頼することになります。その結果はどの様になるのでしょうか?

 

Copyright(c) BrainSellers.com Corp. All rights reserved.