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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

肥満とエネルギー

2010.11.20

何時だっか失念してしまいましたが新聞記事のコラムに「睡眠不足は万病のもと」という納得いく記事が紹介されていました。
気になる事があるとメモをとるようにしているので、細かくは書き込んでいませんが、大意はこうです。
健康的なひとが一日で取る睡眠時間は7-8時間で、これは世界的に認められ、且つ一致した見解だそうです。睡眠時間が短いと、"心筋梗塞"などの危険性を高めるそうです。また、同時に肥満、糖尿病などの発生のリスクを高め、恐ろしいことに"老化"や"生活習慣病"を引き寄せるらしい。
その理由は、交感神経を活発化、血圧の上昇を招いたり、代謝異常や動脈硬化の促進などによると言うことです。
よって、睡眠不足は現代でもっとも注意喚起されている「メタボリック症候群」等の病気を引き起こす重要な要因にあげられるとコラムニストの大学教授は云っています。

私は数年前まで深夜二時に寝て、早朝六時に起きるという睡眠時間4時間のパターンを続けていました。
しかし、ここ五年ほど前から徐々に20年続けてきた睡眠時間4時間と云うパターンを5時間から6時間程度に延ばしています。
理由は簡単です。単に加齢によって体力と睡眠時間のバランスが取れなくなったからです。
加齢による体力低下は当たり前のことですが、少々悲しいというか、自分に不甲斐なさを感じます。
このコラムによると、特に女性で、4時間以下の短い睡眠では、心筋梗塞などの疾患による死亡が約2倍と説明されていました。
肥満の場合は男女問わず短時間の睡眠を続けていると"効果的"に太ると言うことでしょうか。心筋梗塞は怖いですが、じっくりと効いてくる肥満は万病の元になるわけで、もっと始末に悪いということになりますね。

しかし、私たちにとって「食べる」と云うことは基本的な関心事です。
私たちは食べなければ生きていけません。
その理由は、この複雑なメカニズムを有する私たちの「体」は、それを維持するために恒久的に多くのエネルギーが必要であり、それは食べることの行為に他ならないからです。


エネルギーは、食べた物を「燃焼」させることにより得られるものです。車とガソリンの関係が同じです。私たちは呼吸により酸素を取り込み、食べた食物をこの取り入れた酸素でゆっくりと酸化させエネルギーを発生さています。
複雑なメカニズムといえます。
私たちが取りこんだ炭水化物や脂肪やたんぱく質のどれをとっても発生するエネルギー量はほとんどが同じで、酸素1㌔㍑あたり20.1㌔ジュールのエネルギーを得られるそうです。体に与える効果はそれぞれの栄養要素によって異なるのに、体内に吸収するエネルギー量は一定とはとても不思議です。

人ではありませんが恒温動物の実験で個体が生命に維持していくのに必要な基本的なエネルギー量を「標準代謝量」と呼ぶそうです。標準代謝量は、ふつう単位時間あたりにどれだけ酸素を消費したか、つまり代謝の速度で表します。勿論、恒温動物はひとも含んでいますので、ひともこの方程式に当てはまると言えます。

例えば、
体重4トンのゾウも40㌘のネズミも「標準代謝量は体重の3/4乗に比例する」だそうです。
単純に考えれば、体重とエネルギー消費の関係は、同じ割合で増えそうな気がしますが、上の方式ですと、そうはならないですね。これも不思議です。

では、少し食べる量の話をしましょう。
例えば、「ハツカネズミ」ですが、体重200㌘程度のネズミは四日程度で自分の体重分のエサを食べつくすそうです。また、ネズミよりたいぶ大きい「ウシ」は1日に12.3㌔㌘の飼料を食べるとあります。するとウシは、自己体重分を約1カ月かけて食べつくすことになりますね。
ネズミは自己体重のエサを四日で食い尽くすのに、ウシさんは一ヶ月も要します。
これも体重とエネルギー摂取量の比率を知る上で不思議です。

実際の野生の動物が自分の餌を捕獲する場合ですが、大きい動物は、やはり大きい餌を捕らえるそうです。最初、これにも疑問がありましたが、今は理解しています。
最初は、小さな動物が大きい獲物を捕獲することは難しいと簡単に納得しましたが、逆に大きい動物であれば、自分より弱い小さな獲物を狙う方が楽ではないかと思いました。確かにそうなんですが、これは動物が生きるために持つ本能だそうです。
理由は、獲物を見つけるためのエネルギーと、実際に捕獲して得られた報酬とのバランスを野生の動物は本能的に悟っていると云う訳です。大きい動物が、ちょこまかした小さい動物を捕獲するには時間も体力も使うのに、実際に捕獲しても得れるエネルギーはとても小さいという理由です。

では、ヒトの標準代謝量はというと、これは実測値ですが「約68ワット」だそうです。
そこで国が発表した「食料需給表」で国民一人当たりに供給される栄養量を割り出すと、日本人の一人の平均は127㌔ワットとなります。実際に消費した食料は実に標準代謝量の1.7倍の勘定になります。これは捨てられる食料として以前より話題視されていますので、周知の通りです。

しかし、ヒトのエネルギー消費は食料だけではありません。なぜかと言うと動物は捕らえた獲物を煮たり焼いたり料理をしません。寒いからと云って暖房をしませんし、夏に冷房もしません。
なので、これに石油等の一次エネルギーを加えなければなりません。
この統計で算出されたエネルギーは国民一人当たりざっくり5,000ワット程度となります。
標準代謝量の70倍以上です。
人とは、この地球上で最も贅沢で多くの無駄を作り出す生き物と云うことになりますね。
自分自身の標準代謝量は68ワットなのに、生きていくだけで70倍の贅沢や無駄を多く含んだエネルギーの消費をしているわけです。

当然ですが、この5,000ワットと同等な標準代謝量を持つ動物は存在しません。
この値は体重4トンクラスのゾウさんの二頭分に相当します。いかにヒトが多くのエネルギーを消費しているかがわかると思います。

さて、
平成17年国勢調査による10月1日現在の日本の総人口の確定数は,1億2千700万人あまりです。野生の動物やペット動物の他に、日本人の総人口を標準代謝量というエネルギーに置き換えると、2億5,000万頭のゾウの群れがノッシノッシと日本国中を所狭しと、歩き回っているようなものです。収拾がつきませ~ん。

 

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