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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

使命

2011.01.01

当社のダイナミックPDF生成技術のコァは、設立後数ヶ月でその原型が出来上がりました。
設立後間もない2000年の夏のことです。

そして、時を同期するかのように、国内外の印刷機メーカーは革新的なオンデマンド印刷機の過渡期を迎えました。どの様な大型印刷機にも、RIP(リップ:Raster Image Processor)と呼ばれる一般的なプリンターのドライバーに相当するソフトウェアが存在します。
このRIPの役割は、DTP等 で作ったデザイン画像である PostScript データを、プリンタやイメージセッタの印刷機で出力のために、その出力解像度にあわせてビットマップデータに変えるプロセスを指します。当社の製品である「biz-Stream」でダイナミックに生成されたPDFは瞬時に大型印刷機のRIPに飲み込まれ、あらかじめ決められた出力解像度で印刷されることになります。

当時、瞬時に生成されるPDFと高機能大型印刷機をインターネットで接続し、人を介さずシームレスにオンデマンド・プリンティングを着目した企業は皆無でした。そのため当時は、多くの障害が存在しましたが、現在ではこの方法が主流になり、当社は早期着手の多くの恩恵を得ることになりました。

少し現代より時間を戻します。

1492年にクリストファー・コロンブスが意図しながら間違って「インド」を発見したことにより、東洋文明やイスラム文明や他の大陸が持つ独自文明等は、徐々に抹殺され、変わって西洋の近代化に突き進むきっかけになったことは周知の事実です。
そして、「1492」を著したジャック・アタリ(Jacques Attali)は、コロンブスの新大陸発見より遡る事60年前に出現した印刷術について、「この時代のいかなる出来事も、印刷術の出現が引き起こした驚くべき知的変動を抜きにしては理解しにくいだろう。」と明言しています。そして、「それはこの時代の自由の目覚めである」と本質を言い当てています。

冶金業を営むヨハネス・ゲンスフライシュが1434年にニュルンベルグで最初の活字印刷機を作り出しますが、彼の発明は注意を引きませんでした。後のヨハネス・グーデンベルクです。
彼はその数年後の1441年に両紙面に印刷できる画期的なインクを開発しますが、殆ど話題にならなかったといいます。
さらに、共同事業者のヨハン・フストと彼の娘婿のペーター・シェッファーを得て1448年にそれまで木製だった活字を金属製に作り変えることに成功しますが、この事にも誰も関心を示さなかったようです。
そして、1455年に最初の聖書の印刷を完成させますが、それでも全く反響は無かったようです。この聖書は、後に「グーテンベルク聖書」(「四十二行聖書」)と呼ばれる著名な最初の印刷聖書です。

しかし、グーデンベルクは、この二人の協力者との間で出資金に関する訴訟に敗れてしまい、自分の発明を彼らに譲り、結局袂を分かつことになります。そして、その二年後の1457年8月15日に彼らの手によって最初の印刷物「マインツ詩編集」が刊行されますが、この時、あらゆることが始まり、且つ広がることになります。それも強烈な速さで。


ヨハン・フストとペーター・シェッファーによって作られた印刷技術に最初に飛びついたのは当時のローマ教会です。彼らはこの技術によってラテン語とキリスト教信仰の普及を飛躍的に促進できると確信しました。そして、協会はこの技術を布教活動の理想的な手段とし、歓迎し、他のいかなる手段も必要ないと思われるほど大胆に活用しはじめます。それはローマが新しいエルサレムになることを約束されたようなものです。

初期の活動としてラテン語の信仰に対する学問の道具として「現地語」に翻訳され、その為に各所に印刷工房が開設されました。
1462年にパリのソルボンヌに出現し、1470年にフィレンツェ、ナポリ、スペイン、オランダ、ポーランドにまで拡散します。
そして、1480年のヨーロッパは、すでに百箇所の印刷工房があったと云われています。
また、その頃ヴェネツィアは世界の中心都市としての地位から下落を余儀なくされつつある中で、やはり印刷業の中心を担っていたようです。
ここで、最初の工業用の印刷機が開発されましたし、さらにアルド・マヌツィオによって「イタリック体」と「八つ折り判」が考案されることになります。画期的な考案といえます。

当時のヨーロッパで出版された書物の七分の一は、ヴェネツィアで刊行されたと記録にあります。そして、1491年にはすでに1千万冊の発刊があった様です。今から五百年前の出来事です。

その後のグーデンベルクは、1465年に権利が回復され、マインツ大司教から爵位を授けられてようやく栄光を手に入れることになります。その翌年には彼の手によっていくつもの重要な著書を発刊しています。

以前「ライフ」誌が発表した紀元から西暦2000年までの間で、最も重要な出来事と人物の百選ランキングで「ドイツ人、グーテンベルグによる1455年の聖書の印刷」が第一位とあります。
彼が発明したものは印刷技術の一部でしたが、その果たした役割は人類史上に特記すべきものでした。それは、宗教改革の源流に大きく寄与し、且つ聖書の普及で特定階級のものだった読み書き能力が大衆レベルに広がり人類の情報革命の先駆となったからです。
まさに、ITをビジネスとしている我々のルーツ的存在でもあります。
印刷技術は「羅針盤」と「火薬」とともに「ルネサンス三大発明」の一つにあげられています。諸説はいくつもありますが、現代では「活版印刷の発明者」としてグーテンベルクは揺るぎない存在となりました。
そして、「ライフ」誌の2位には当然の如く「コロンブスのアメリカ大陸発見」となっています。

ジャック・アタリの「1492」は、グーテンベルクとコロンブスの関係を明確に説いています。
そして、現代に生きる私たちはdog yearと叫ばれて久しくなります。
しかし、ものの発明や発見や考案は、そう容易く完結するものでありません。
dog yearは私たちが目にする、耳にする出来事であって、決して新たな世界が生まれたわけでは無いのです。常に時代が要求するその使命を持った人が発明や発見をするのだと思います。

当社の使命はというと、
新しい年を向かえより鮮明な活動が約束されています。
とてもエキサイティングな幕開けとなるでしょう。
鳥肌が立つほどワクワクしています。

 

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