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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

「装うことは教養です。」

2007.10.23

装うことは教養です。
とは、その著書「スーツの法則」で中島渉が何度も繰り返し使った言葉です。

先週の土曜日に封切りされた「グッド・シェパード 」という映画あります。
とても好きな俳優である「マット・デイモン 」の主役映画です。
是非機会があれば見てください。
内容は映画のサイトに数多く紹介されていますが、物語はCIAの誕生をめぐり、ある将軍からリクルートされたマット・デイモンが扮する主役の1人の男が、運命に翻弄されながらも自身の立ち位置を作り上げていくシリアスな構成です。
CIAの誕生の時代ですから、まさに「冷戦」のさなかです。
物語は「キューバ問題」から展開します。

詳細はさておき、この映像の中に当時の実写を多数使用しています。
JFKで著名な「第35代米国大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ」と
フルシチョフの名が一般的な「ソ連の最高指導者のニキータ・セルゲーイェヴィチ・フルシチョフ」と、
この映画の中心となるキーバのカストロの呼び名で知られる「国家元首フィデル・アレハンドロ・カストロ・ルス」などです。

冷戦時代に凌ぎを削った二人の国家元首ですが、
JFKもフルシチョフもスーツはイタリア仕立てだったようです。
どうも、JFKの方が先にイタリアの仕立て屋(といっても「ス・ミズーラ(SU MISURA)」という高級仕立てですが)「アンジェロ・リートリコの工房」で数着のスーツを誂えたようです。
JFKの先祖はイタリアでしたから、当然イタリア人の「アンジェロ・リートリコ」をそのネットワークで以前から認識していたのでしょう。

一方、フルシチョフはJFKのスーツを見たのか偶然なのか、
その後やはり「アンジェロ・リートリコの工房」でスーツを作ったようです。

世界を動かす二人の国家元首が同じ仕立て屋のスーツを着ているという偶然(?!)に戸惑うばかりです。
民衆の中で強いアメリカを強調するJFKとカストロを向かえてにこやかに話しかけるフルシチョフ。
同じ工房の作品でも、いずれも素材、色、柄は勿論のこと、
全体のフォルムの美しさ、
肩や襟やポケット等、洗練されたデザインと仕立てに守られた二人のトップの姿は並べて見たいものです。

アンジェロ・リートリコは50年代にニューヨークに進出し、成功を収めたイタリア移民を中心に人気を博したようです。しかし、残念なことにリートリコは一代限りで彼の死後その仕立てが生き続けることは無かったようです。

彼と対照的に「ブリオーニ」はその戦略的な頭脳をフルに発揮してテイラーとしても、ブランドとしても、事業としても現在でも生き続けことになりました。
アンジェロ・リートリコを知らなくてもブリオーニは知っていると訳です。

アンジェロ・リートリコはその天才的と言われた職人でしたが事業を継続・拡大していく意欲は薄かったようです。アトリエ内では多くの職人も同時に育ったはずでしたが、いずれも二代目を継ごうとしなかったようです。

彼に引き替えブリオーニは盟友「ナツァレノ・フォンティコリ」と出会い「ブリオーニ・ローマンスタイル社」設立します。ブリオーニは未来を見据え、その先見性を果敢に発揮します。
ファクトリーに隣接して四年生の職人養成学校を併設し、徹底した分業体制や現在でいうマーケティングについてまで、近代的な経営視点でその手腕を見事に開花させます。

「装うことは教養です。」の次に来る言葉があります。
「ドレスコードを知る、その歴史背景を理解してこそ、ツースは楽しむことが出来るのですから」と。

昔からファッションセンスを磨くことは、豊かな成功者になるために重要な要素だと言われています。安い服を10着買うよりも、高価な1着を着る。

仕立ての良いスーツは着る人の「表情や姿勢や集中力」も変えます。
今度は、ブリオーニで「ス・ミズーラ」を!

 

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