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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

オルフェウスの竪琴

2005.09.18

リラ呼ばれる携帯用のハーブに似た楽器を模した竪琴の星座である「こと座」は夏から秋にかけて代表的な星座です。
こと座自体はとても小さな星座ですが天頂で輝くゼロ等星の「主星ベガ」のお陰でとても目立ちます。ベガは東洋では七夕の「織り姫星」、西洋では「真夏の女王」とか「真夏のダイヤモンド」と呼ばれています。ベガというこの星は洋の東西を問わず「女性」に見立てているようです。それは青白く清潔感のある輝きから優しい乙女のイメージを印象させるからでしょうか?

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〔今夜も月が美しく、秋の澄んだ夜空に星たちがその輝きを放つ〕

こと座は竪琴の名手オルフェウスの神話から名づけられたと言われています。知人にギリシャ神話のビギナー本の照会依頼をされましたので迷わず「ギリシャ神話を知っていますか/阿刀田高著」を教えました。多分20年ほど昔に出版された本ですが、初めてギリシャ神話を理解するにはとてもいい本でした。さて、オルフェウスの話ですが、
竪琴の名手オルフェウスは毒蛇に噛まれて死んだ妻エウリディケを取り戻したい一心で地下深い冥土に向い、その王プルトーンに妻を帰してくれるように懇願します。オルフェウスの竪琴で奏でる美しい音色に心打たれたプルトーンは、地上に出るまで後ろに付き添った妻の姿を振り返らないという条件で、オルフェウスに妻のエウリディケを返します。ところが出口付近でオルフェウスは思わず後ろを振り返ってしまうのです。エウリディケは可愛そうにあっというまに冥土に引き戻されてしまうのです。オルフェウスは自分の愚かさのために気が狂って死に、弾き手を失った竪琴は天に上げられて「こと座」になったと言い伝えられています。
このことは何かを示唆しているようでこの物語をするたびに感じるものがあります。
我々が日々直面する自身の問題・悩み等々の「自戒の念」としてその意識をより強く感じます。

因みに地下の神→冥界の支配権を持つプルトーンですが、実はゼウス三兄弟の一人です。古伝によると彼はゼウスより先に生まれたので兄格のはずですが、ギリシャ神話の摩訶不思議さで、ゼウスの権威が高まるといつの間にか、ポセイドンと共にゼウスの弟分に引き下げられてしまいます。プルトーンはそれも一番下の弟という事になってしまうのです。とても変なんです。プルトーンは「」を意味し古典期時代に鉱山の採掘が盛んであったために、地価に埋蔵する金銀の資源として解されることが多く、なので冥界の神と呼ばれるわけです。でも直接「死」を司る神ではありません。勿論奥さんが居ます。「妃」はペルセポーネです。彼はローマ神話では「ディース」となります。

 

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