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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

OPECと灯油

2006.01.29

ここ六週続いてガソリンや灯油の小売価格の高騰が続いています。

つい数年前まで冬の暖房器具で一番手っ取り早いのが石油ファンヒーターやストーブでしょう。我が家もそうでした。年末年始を過ごした田舎でも各部屋にファンヒーターがありました。手軽ですぐに部屋全体がたちどころに温まります。しかし、最近では空気の汚れや匂いや保安の関係でエアコンで暖房する家庭が都会では圧倒的だそうだす。しかし多くの家庭ではまだまだ石油暖房器具のお世話になっていることでしょう。その石油がここ六週間連続で価格上昇です。
国内の石油大手元売は「新日本石油、昭和シェル石油、コスモ石油、ジャパンエナジー」ですが、各社2月出荷分から値上げするそうです。灯油やガソリンなど石油製品の卸価格を一月比でリットル当たり約二円値上げするとニュースを見ました。これで二カ月連続で卸値の引き上げとなりました。

近代石油産業は1859年8月に「エドウィン・ドレイク」と言う人がアメリカ東部のペンシルバニア州タイタスビルの近くの「オイル・クリーク」と呼ばれる地帯で世界で始めて機械を使って石油を掘り出した事から始まったといわれています。きっとジェームス・ディーンの「ジャイアンツ」の様な有様だったのでしょう。この映画の撮影終了間際の1955年9月30日に交通事故死で24歳の若さでこの世を去ったジェームス・ディーンの遺作ですが、石油を掘り当てるシーンは圧巻でした。記憶にとどめている方も多いと思います。

ドレイクが掘り当てた「原油」が精製すれば鯨油や石炭に比べてはるかに品質の優れた証明用の灯油を得られることを1850年代に人類は始めて知りました。それから昨今の「ピーク・オイル」と言われるまで「石油時代」の到来です。石油バブルという言葉で表現する知識人も多いです。

OPECはつい先日四月以降の生産高について「2800万バレル維持」をアピールしました。OPECは当初、減産を伝えていたはずです。それが年明けから一段と原油高騰が続くので今回の発表になったようです。
以下引用です。
【ダボス(スイス東部)28日共同】石油輸出国機構(OPEC)は31日、ウィーンで臨時総会を開き、4月以降の生産方針を協議する。OPECは当初、減産を視野に入れていたが、原油価格が年明けから高騰。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は「減産する理由はない」と指摘しており、現在2800万バレル(イラク除く10カ国)の生産枠を維持する公算が大きい。

ドレイクが石油を掘り当てる前の照明用の燃料は「鯨油」です。あの映画「白鯨」のエイハブ船長が鯨を捕獲すると船員全員で夜通し「鯨の肉から油を採る」シーンがありましたが、鯨油とはあれです。この映画は老朽捕鯨船ピークォッド号に乗り込んで“白鯨”と呼ばれた巨大なクジラに片足を喰いちぎらた復讐に燃えたエイハブ船長と白鯨の戦いです。ちよっと、狂気に似たものがありますが。見ていて恐ろしくなります。

1850年の頃の照明用鯨油はガロン当たり2ドル50セントだったそうです。これをバレル換算すると軽く100ドルは超えます。てとも高い燃料といえますね。この当時の原油の価格は1860年でバレル当たり約20ドルという資料があります。
このバレル「barrel」ですが、実は「樽」を意味しています。
先ほどの白鯨のピークォッド号の鯨油を採取して船に積み込むまたは運ぶ為の「」から来ています。あのペリー提督の突然の来日も目的の一つは捕鯨船の基地問題です。

初期の頃、船積みを想定したので「原油」もこの樽を使っていた様です。なので今でもその時の名残で「バレル」を使っています。1バレルは160㍑ですから200㍑のドラム缶より少々小さいですね。

いずれにしても北陸の大雪を凌ぐには「外は雪かき、中は灯油による暖房」です。何十年ぶりの大雪に経済的にも大変な時期に灯油の小売価格が六週連続で最高値を更新です。

 

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