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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

来年のカレンダー

2005.11.27

今週の週末から師走です。師走になると「先生」も走りますが、ビジネスも佳境を迎える事になります。それと来年の「カレンダー」を頂く季節でもあります。

以前ブログに「マゼラン隊の航海日誌の日付と帰国したスペインの日付が一日ずれていた。この矛盾が「時差」であることは現代の我々はごく自然に認識できます。しかし、当時は大変でした。」という話をしました。そして「当時この問題はローマ教皇を巻き込んだ大論争」に発展した事もブログしました。
暦(こよみ/れき/カレンダー)は、日や月や季節の移り変わりを知るため、古くから暮らしに欠かせないものでした。お客様や取引先、友人、知人から頂く趣向の凝らしたカレンダーを頂く事は大変楽しみでもあります。
私たちは月の初めを「朔日(ついたち)」または一日といいます。この「」には〔第一日〕〔始め〕〔遡る(さかのぼ)〕といった意味があって「朔日」というのは「月立ち(つきたち)」を指す言葉で、籠もっていた月が出で来るという現象を表しています。そう考えると月の出から遡った新月を暦の第一日とする太陰暦の名残というのが頷けます。実は、「晦日〔みそか〕」も同じで「暗い」「」「つごもり」と言う意味があるそうです。月末、三十日を〔つごもり〕と言うらしく「月隠り〔つごもり〕」と書くそうです。
要は月を中心とした旧暦時代の数え方で、真っ暗(新月)な月末ということらしい。「月」の数え方は既にブログしました。
当たり前の事ですが、いま私たちが呼んでいる「朔日(ついたち)」はもう月の新月の一日目でないので、常に朔日が新月になりません。同じように「晦日(みそか)」は月末を指す言葉に変わってしまい「29日」でも「30日」でも「31日」でも「晦日」ですよね。本来は「三十日」なのに。

さて、暦で印象深いのは「ユリウス・カエサル」の暦の改定です。カエサルの沢山の功績の中にこの改定があります。詳しくは「ローマ人の物語・庄野七生著」を読んでみて下さい。カエサルのファンになります。いいえ、カエサルをよく知る七生女史に陶酔してしまうと言い換えましょう。
彼はエジプト遠征中に見出した天文学者や数学者を掻き集めて暦つくりを担当させました。カエサルが事実上独裁政治を行おうとしていた紀元前46年まではそれより7世紀も前に作成された太陰暦を使用していました。この当時の暦は一年は月の満ち欠けに準じて12ヶ月分かれ、一年は355日でした。余ってくる日数は数年後とに一ヶ月増やす形で運用してきました。すると700年後のこの時代になると暦の季節と実際の季節は三ヶ月程度も差が生じてきてしまいました。
彼はこれを是正したのです。彼のこの功績を称えて「ユリウス暦」としました。この暦は後の1582年に法王グレゴリウス13世によって再改良されるまで1627年間、地中海世界とヨーロッパと中近東の暦として長く使われました。
このユリウス暦を開発する時点では太陽を中心とした時間軸としましたので、「1年は365日と6時間」としています。1年毎に生ずる6時間の誤差は4年1度2月に清算をして帳尻を合わしていました。
もう一つ特記するとカエサルの誕生月は7月ですが、ローマ大帝国の独裁者らしく自分の名前を暦に取り込みます。それまでの「ヌマ改暦」では「7月をキンティリス(Quintilis)」と呼んでいましたが、それをラテン語の「ユリウス〔Julius〕」に変えてしまいます。現在の英語の〔July〕の原型ですね。これが皇帝のステータスになったのでしょうか、カエサルの死後、彼が後継者として指名した「アウグストゥス」も五代目の悪名高き「ネロ」も九代目の「ドミティヌス」カレンダーに手を付けます。
そして、名優「ラッセル・クロウ」演じる「グラディエーター〔Gladiator〕」という映画をご記憶と思います。ローマ帝国の終焉時代、将軍から剣闘士になるという歴史映画でローマ帝国の最後の皇帝「コンモドゥス」を「ホアキン・フェニックス」が演じていました。とても名演でした。この最後の皇帝も暦に手を入れることになります。〔自分の名前をカレンダーに入れる〕

この暦=時間は「平たい地球」を「丸い地球」に近づける技術として大いに役立つ事になります。それはまた後ほど。

 

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