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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

うんこは黄金を生む !?

2005.11.22

人間様のウンコは高額取引される。

し尿1万トンを室戸沖に不法投棄(2005年11月11日)

大量のし尿を適正な処理をしないで室戸岬沖に不法投棄した企業が検挙されました。これは勿論「海洋汚染防止法」違反です。ニュースによると平成16年6月末から17年5月末にかけ14回にわたり、大阪、滋賀、奈良3府県の自治体や広域行政組合から集めた「し尿約1万1000トン」を化学処理も粉砕処理もしないで室戸岬100キロ―200キロ沖の海上に捨てていたそうです。原因は「処理をする社員が減らされ、手が足らずに仕方なくそのまま捨てた」そうです。なんたることでしょう。
海洋へのし尿投棄は、14年に「廃棄物処理法施行令」が改正され禁止です。但し、「海洋汚染防止法」は経過措置を設けて19年1月末までは「一定の基準で処理したし尿」を、定められた海域に投棄することを認めています。それが、「化学処理または粉砕処理」です。これって法律違反ですから実名でニュースに出ます。

現在では「ウンコ」を処理しないで海洋や山に捨てると法的に確実に「お縄」になります。それが江戸時代に遡ると「ウンコ」の利権や単価の設定で行政を巻き込んだ大騒動にも発展しています。それはそれは貴重な小判を生む「資源」であったのです。

江戸時代の人口は100万都市と言われていました。人間が一日に排出するし尿の量は約1.2リットルだそうです。これを年間で江戸の人口を掛け算するととっても大変な量になります。掛け算が計算できないのでなく、「ウンコ」の量があまりに多いとなんだか文章までが「匂う」様で、読者に申し訳ないと思い数字は各自やって見てください。完璧な下水道を持っていない当時にこの量の処理能力は全くありません。当時の農業は田畑を休ませることなく毎年同程度の収穫を期待するいわゆる刈敷農法を取ってました。なので土地にし尿を混ぜ農地の生産能力の低下を防ぎました。ですから江戸の大都市はし尿生産工場としては一大プラントというわけです。故にし尿は「商品化され、仲買組合が存在し、農民への流通形体」が取られていたのです。勿論大名家の汲み取りも一回いくらと値決めがあるのです。今と反対ですね。
この江戸プラントの年間採取量の値段ですが、総額二万五三九八両あまりであったと記録があります。仮に一両を五万円とすると12億6990万円です。今なら都知事は大喜びですね。
どうでしょう。「ウンコ」が黄金を生んでいると思いませんか。江戸は人口がどんどん増えるので近郊の農作物は供給が間に合わず、より一反当たりの生産能力を高める必要もあり、し尿の価格がどんどん高騰して行きます。そこで幕府の最高トップの老中と仲買組合と購入先の農家連合軍が価格の熾烈なネゴに至ったのです。江戸時代に何度が危機があったようです。特に天保時代の騒動は中々決着がつかなかったようです。

方や「捨てるとお縄」になって、方や「利権争い」に、時代と共に物の価値が大きく変わってしまいます。

 

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