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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

楽天の統合提案をTBSが最終回答案で拒否!!

2005.11.23

楽天の統合提案をTBSが最終回答案で拒否!!

三木谷さんの「経営統合提案」に対しTBSが受け入れを「拒否する最終回答案」が現実のものとなり、今後の「次の一手」に閉塞感を感じるように思えます。


米国大統領ジョージ・ブッシュは国内の統治に四苦八苦している状態で京都入りをしましたが、1992年の米国大統領選挙戦に全世界が「アッと」驚く事態がありました。既に10年以上も昔の「ブッシュおやじ」の頃の話ですが、共和党にも民主党にも属さない「ヘンリー・ロス・ペロー」という人が立候補したのです。二大政党に属さない彼は一代であの「EDS」を一流上場企業に育て上げた男です。立候補時桁違いの億万長者でした。財界でも顔の広さは抜群でした。ご存知のように選挙戦の途中で降りてしまいましたが、ブッシュおやじに与えた影響は大きくその後スムーズにクリントンに政権がシフトした一番の要因といわれています。彼はダラスのド田舎に生まれ19歳でアナポリスの海軍兵学校に入り、卒業して少尉に任官し航空母艦の航海士を担当していたようです。その時見学来たIBMの幹部に気に入られて、四年の奉公を終えた後、IBMに入社しました。27歳でITの世界に入った訳ですが、すぐに頭角を現し、TOP営業にのし上がったようです。32歳でIBMの大組織を嫌い千ドルで「EDS」を設立しました。彼の企業経営の理念はシンプルで高度です。彼が数名の社員に叩き込んでのは「だますな。手を抜くな。ビジネスランチで酒を飲むな」とう簡素なものです。でも、とてもすばらしい行動基準です。その後ジョンソン大統領の時、高齢者の保険制度の改定というビジネスチャンスをしっかり掴み取りEDSは急成長します。そのときGMからの合弁の話が持ち上がりました。この時どうしても買いたい側のGMのトップは会長のロジャー・スミスです。GMは当時自動車業界で全世界の50%以上のシェアを持つモンスター企業でした。そして相手の気持ちを読んだペローは非常に有利な条件でEDSを売却し、自身はGMの取締役に就任します。好条件の一つが「クラスE share」(ここでは説明しませんが)という全く今までにない新しいタイプの株式です。ペローが54歳のときこの合弁の締結がされます。後はご存知のように両社及び両社の役員及び社員との文化の違い、給与体系、組織の上下関係のあり方等々で多くの問題を抱える事になります。そしてそれがトップ同士の軋轢に変わりロジャー・スミスとペローは袂を分かつ事になります。そして、最終的にはペローがGMを退職します。
この時ペローの取得している株式(クラスE shareを含む)をGMがバイアウトします。当時の金額で「総額8億ドル」です。

さて、権利を主張することに躊躇しないのが米国人です。訴訟社会と言い換えても良いくらいに。特に大企業の場合は懐が深い分だけ絶えず狙われる可能性が高いと言われています。
勿論このバイアウトについて不満を唱える株主が出てきました。一般株主はやすやすと帳簿閲覧が出来ます。
そしてロジャー・スミスもペローも一部の株主から「株主代表訴訟」を提起されました。一つはバイアウトはGMにとって有効な事業目的でない。二つはバイアウトの金額が異常に高額である。三つ目は取締役の業務遂行違反です。
きっとこの騒動で「GM」も「スミス」も「ペロー」も多くの時間と弁護士費用を支払った事でしょう。
90年にロジャー・スミスは引退し、92年に冒頭のペローの大統領の立候補に話が戻ります。

さて楽天とTBSの統合問題ですが、
楽天の経営統合提案に対しTBSが受け入れを拒否する最終回答案の概要が明らかになりました。(1)業務提携には応じるものの統合は拒否する(2)業務提携の条件として楽天が保有するTBS株の大幅削減を求める(3)放送と通信の融合を進めるためには、複数のインターネット企業との幅広い提携を目指す。というような事が拒否の骨子です。
この回答ですと、経営統合を強く望む楽天にとっては事実上の「ゼロ回答」ですね。楽天がTBS株の買い増しや、TOBなどの強硬策に出て、全面対決に発展する可能性が強まってきたともいえます。
TBS側は、
1社とだけ密接な関係を築くと、放送業界で取り組みが加速している放送と通信の融合に向けた経営戦略の面で大きなマイナスになると結論付けている様です。
また、
TBSの幹部は記者団に対して「統合提案の白紙撤回と、株保有の解消が話し合いの前提だ」と言っています。楽天も相当後退して「統合という形にはこだわらない」という方針を取り入れたともいえます。


楽天もTBSもこの間の株式購入費用膨大な対策費用弁護士費用、等々多くの時間と資金が費やされています。この統合プロジェクトの行方に対して、お二人共に一部の株主からの「株主代表訴訟」の可能性が危惧されます。

 

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