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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

東大生と船大工

2005.11.03

東大生と船大工」の組み合わせは不思議という他無い。

和船は子供の頃良く遊んだ。
いわゆる「一丁櫓の伝馬船」(いっちょうろのてんません)です。山も川も海もその全てが遊び場でした。夏の山はバケツ一杯のカブトムシやクワカダを採りました。夏の早朝ずっと昔から申し送りのカブトムシが好きな木がある場所へむかいます。10箇所以上の特別な場所がありました。海はというと、海水浴と磯物〔貝やカニ〕と伝馬船遊びです。当時、初めて櫓を漕ぐのは普通小学校の低学年で中学生の悪ガキ先輩と一緒に乗り込みます。最初は漕いでも漕いでも右廻り〔右利きはどうしても引きが強いので〕に回転するだけですが、一時間位するとなんとか直進できるようになります。しかし、子供には櫓は長く重く、背が低いため櫂が十分に水中に達しないためスピードはゆっくりとなります。また、すぐに支柱の杭から離脱して、櫓を海中に持っていかれそうになります。櫓を落とすと港の中で立ち往生と言うことになり、ちょっと大変です。でも、一人で櫓を漕いで伝馬船が真っ直ぐに走ると爽快な気分になります。今でも鮮明に覚えています。

今では「一丁櫓の伝馬船」(いっちょうろのてんません)」は少なく、あってもその殆どは耐久性と価格の点でFRP製になります。和船の従来の「木」で製作する船大工も殆ど廃業していますし、材料も高価ですので中々見かけません。
しかし東大の三崎臨海実験所が一隻の伝馬船を発注した事が話題になりました。そもそも東大生と伝馬船はピンと来ませんよね。

この伝馬船は二人程度の東大生が乗り込み、ウニなど研究用動物の採集に使うそうです。伝馬船の速さはプランクトンを捕る網を引くのにちょうど良いそうです。船外機は楽ですが騒音がありますし、常にゆっくり研究のための移動は手漕ぎの伝馬船がぴったりなんだと思います。慣れてくると木造和船は1人で櫓を使って操ることができ、とても安定しています。
この伝馬船を作る船大工は都内の川舟を製作した経験を持つ大工さんという事です。天然の杉やヒノキを材料として使ったようです。資金は日本財団が助成したとの事。古い高度な文化技術を残すにはお金がかかります。
「和船」は、古くから日本で用いられた木の舟の総称ですが、江戸時代は厳しい「鎖国」の中で大型船の建造は許して貰えませんでしたが、特に日本海をめぐる海運の中心となった北前船などが広く知られています。

 

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