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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

ファンドと資金確保

2005.10.16

楽天の三木谷さんはTBSに経営統合を提案していますが、先週の13日にも新たにTBSの株式を1%未満分ですが買い増ししています。この新たな取得の判明で、TBSの態度がもしや「より硬化する」可能性もあります。既に850億円以上の資金が投入されているとか。TV放送を見ているとニッポン放送株の買収劇をしたライブドアの堀江さんと比較されている様子。柔らかくであるがどうも三木谷さんは比較されることは「いや」そうでしたね。楽天側のマスタープランは明らかでないにしても良く事前準備された姿勢が伺えるのでやはり堀江さんとは少々異っているのでしょう。しかし彼らの仕掛けた日本を代表するメディア企業へのM&Aの本質は同じと思います。TBSの悩みは三木谷さんの前向きな「経営統合」の提案と同時に村上さんの「村上ファンド」にも対応しなければならない点です。「非常事態宣言」でしょう。欧米と異なり日本にはこの分野の危機管理は緒に就いたばかりで多くの企業はまだ「ぬるま湯の中」と思います。

絶対的な自信を揺ぎなく持ち続ける起業家はきっと出資者の心を打つ魅力的な「なにか」を持っているのでしょう。「マスタープラン」を持つコロンブスのファンドの組閣はその様な「なにか」を感じさせて突き進んで行きます。
彼「クリストファー・コロンブス」は辛うじてカスティーリャ王室の王女と王に出資の合意を10年の歳月を掛けて得ることが出来ました。最初はポルトガル王ジョアン二世に断られ、次のカスティーリャ王室の提案しながら、一方で弟のバルトロメにイギリス王とフランス王に提案を並行的に進めています。事業計画の骨格は「インディアス事業」である事を昨日のブログで説明しまた。このファンドの組閣の可否はコロンブスが共同経営者を探せるかでした。彼は非常に自信を持っていたようでした。それもお金持ちで絶対的な権力者である必要が当時の時代背景にありました。全て仮説である「インディアス事業」のビジネス・モデルはハイ・リスク、ハイ・リターンの典型的なモデルでした。
まず当時の船乗りたちは「大洋の西への航海」と聞くだけで高額な給与を提示しても誰も集まりません。ましてコロンブスは外国人です。子飼いのクルーを持っていたわけでもありません。現在も当時も「船」は高価な建造物です。帆船の建造には最低二年は要しますので必然的にカスティーリャ内の帆船の調達という事になります。その交渉は国家レベルの強権がなければ出来ません。それと最大の壁はファンド(資金計画)です。資金調達計画は当時も今も状況はそなんに変わりません。大変です。

彼のラウンド1〔第一回航海約三ヵ年〕の資金調達計画はざっくり「200万-250万マラベティ」としてます。その内大スポンサーであるカスティーリャ王室の王女と王の両王によって100万マラベティを確保し、残りを他の投資ファンドから組閣する必要がありました。彼自身は10年もの間殆ど貴族の客食のような生活でしたので、蓄えは殆どなかったようです。要は他人の褌で相撲をとる方式以外に道はありません。ただし、両王に全額出資を依頼しなかったのはやはりマスタープランである「インディアス事業」の信憑性は自ら信じて、その権利をある程度確保すべきという起業家精神の現れでしょうか。いずれにしても残りの100万マラベティ程度の資金を調達しなければなりません。彼はそれをパロスで行いました。この地は彼が第一回目の航海の出港の地として選んだ土地です。余談ですが、現在の「ウエルバ地方のパロス・デ・ラ・フロンテーラ」です。現代のアンダルシアではやはり有名なのが「セビーリャ、グラナダ、コルドバ」です。コバルトはユリウス・カエサルが執政官時代カルタゴから奪った古代から著名な都市です。海岸地帯では「コスタ・デル・ソル、パロス・デ・ラ・フロンテーラやモゲル」も美しい街です。地中海側のスペインは気候といい、風景といい、人物といい、とても魅力的な国です。
そのパロスに船主であり船長であり、実業家の「ピンソン兄弟」が拠点としてパロス港を使用しており、そこに目を付け、「帆船の調達と彼の資金力と部下としての熟練船員の一石三丁」を狙った提案と説得を行います。勿論その見返りは相当高くつきましたが。
まず200万マラベティですが、正確には判断できませんが現代の貨幣価値に換算すると8000万円~1億円程度です。
彼のマスター・プランである「インディアス事業」はカスティーリャ王室の両王との間に出資に関する契約行為がありました。有名な「サンタ・フェの協約」です。この中で特記すべき事は「カトリック両王+コロンプス商会」という事業体が具体的に明示されているところです。この事業体の目的はアジアをこの航海で発見し、友好的に貿易契約を行い、アジアの富をヨーロッパに「独占的」に運び込む独占交易事業です。この契約の骨子は、この貿易で上がる「10分の1の利益獲得権や8分の1の出資権」といういわゆる「お金儲け」の他に、「提督〔アルミランテ〕」への称号がついています。彼は以後提督ドン・クリストファー・コロンブスと呼ばれるようになります。ここが起業家として彼が資金調達活動でも譲らなかった権利です。しかし、資金を全く持たない彼は結局その権利を分割して資金の調達に当てる事になってしまいます。

彼はこの航海の実現性をほぼ五年の地道な調査と実験と熟慮により成功を確信し、且つポルトガルの数学者審議会でも十分説得出来る理論武装を身につけた様です。その自信が「ファンドの組閣」の成功に繋がったのでしょう。
第一回目の航海は、海図もなく、貧弱な四分儀と羅針盤の他に、トスカネリの地理学的概念図と愛読書のピエル・ダイイ著「世界の姿」が彼の唯一の武器でした。

 

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