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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

2005.10.10

グリーンピース・チャイナ(国際環境保護団体)が先ごろ北京航空航天大学で“拉風行動”の活動を開始しました。“拉風行動”は中国語で「風力エネルギー普及活動」とでも訳すのでしょう。現代の中国は米国や日本が経験してきた「成長は環境破壊が前提」のその時を迎えています。それにオリンピックや博覧会建設で沸いているからなおさらです。この時期に環境破壊を警鐘する意味での「若者に再生可能エネルギーへの理解」を深める事はとても意味のあることに思えます。
風力エネルギーの活用は身近なところで太平洋側の海岸線やハワイの東側の海岸線でも行われています。風力の他に太陽や波浪からエネルギーを生む方法は有りますがやはり石炭や石油の様に長い期間の研究と開発を蓄積したものとは違い社会基盤を支えるほど普及していないのが現状でしょう。まだまだ時間が掛かりそうです。それまで石炭や石油と「環境破壊」をうまく共存させなければ成らない使命が現代に生きる我々にあるように思えます。

環境保護と近い言葉として「自然改造」という「破壊」よりたいぶ柔らかな行為があります。この自然改造という言葉が最初に使われたのが「TVA」でした。1932年に米国連邦議会が承認した「テネシー河域公社」で使われました。33年に開始して42年に完了したこの10年にもおよぶ米国最大のプロジェクトでルーズベルトがニュー・デール政策の目玉として立案されました。当時の米国の自然は広大で大森林、砂漠など未開発の地域も多く有りました。大自然のテネシー川は大氾濫を何度も繰り返す過酷な自然のパワーでした。

このプロジェクトで四万人の労働者の投入によって12ヶ所のダムの建設が行われ、それによって150万㌔㍗の水力発電が提供される様になりました。この多目的ダムは同時に灌漑、輸送、水産等に活用され産業発展に大きく影響を与えます。しかし時にTVAは別な目的にも活用されてしまいます。TVAの開発事業は第二次世界大戦中、オークリッジにおける原子爆弾製造のウラン濃縮のための大電力を供給し続けたのです。この大電力が無ければウラン濃縮は出来なかったとさえ言われています。「環境保護」と「文明の生い立ち」のバランスは常に二面性を持ちその時々の判断が50年後、100年後の「ツケ」となってその利息も含めて清算しなければならない事になります。


「自然改造」という言葉は、人類が経験してきたすこし前までの技術文明の特徴でもありました。しかし今我々が直面している大きなテーマである「地球温暖化」や「環境破壊」を考えるとき、必ずしも当時の「TVA」プロジェクトは評価しにくいでしょう。

米海洋大気局(NOAA)は先ごろ、二酸化炭素(CO2)など大気中に含まれる温暖化ガスによる地球温暖化効果が1990年以降に20%強まったとする分析データを発表しています。
温暖化効果が強まるほど、地球の平均気温は上昇しやすくなると言う事です。

 

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