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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

三峡ダムの完了

2006.06.23

李白(りはく)は中国の英雄・玄宗皇帝の時代の詩人です。

杜甫(とほ)と並び称される古代中国の最も代表的な一人でもあります。良く聞かれる二人の評価は杜甫は人々へのよき奉仕者である事を願い、李白は剛毅な人間の代表者である事を願うというものです。
何となく二人の人間性を現した言い方といえませんか?

その李白の「將進酒」の冒頭に
君見ずや 黄河の水 天上より来たるを,
奔流海に到りて復(ま)た 回(かへ)らず。・・・・・・・・・・・・』と言う黄河を歌った詩があります。
意味は、黄河の水は天上より来て海に注いで行って二度と帰らないという詩です。別の伝承では、海からまた天の河に戻ってゆくといい伝えもあるらしいです。いずれにしてもこの詩からは「脈々と流れる大河」を連想せざる得ません。

しかし、近年この中国第二の大河の水量が急激に減っているそうです。下流では流れが途絶える「断流」が頻繁に発生しているとの事です。信じられないことです。
黄河は青海省に源を発し、40余りの支流をもち、渤海湾に注ぐ、全長4500㌔あまりの別名「母なる河(母親河)」です。その大河が近年多いときで年間100日以上「断流」があると言うのです。
あの有名な「秦の始皇帝」以来、河口付近では2200年の間1500回以上の決壊を起こすほどの「暴れ河」であったという事です。それが年間100日以上の断流です。変われば変わるもの。

理由は簡単に言えば「需要と供給のバランス」の様です。
まず、降水量です。50年代は450㍉あった年間降水量が90年以降400㍉を割り込むに様になったと言うことです。
一方、流域各省の過度の取水です。たくさんの水田や工場地帯が増えたため、どんどん取水してしまうのです。上流と下流で省庁同士で取水騒動が絶えないようです。

中国は世界の人口の20%を超える国ですが水資源は8%しか保有していません。経済の中で水不足が問題になることは必然的です。且つ、世界のウォーター・ビジネスの世界システムに必然的に中国も組み入れられて行きます。

ニュースによると、
中国大陸の東西を二分する国内最大の河川・長江(揚子江)中流域にあたる「三峡ダム」の堤防が完成したとの事。このダムは湖北省宜昌市にある「世界最大規模」の多目的ダムで堤防本体が今年5月20日完成に完成しました。堤防の全長2309メートルで、高さは185メートルもあるそうです。
因みに堤頂高についてはソビエトの「ログンダム」は335㍍で一位だそうで、「フーバーダム」は221㍍、日本一の黒部第四ダムは186㍍だそうです。
長江の下流の方は揚子江と呼ばれています。大きな川はそれぞれの流域によって名前が変わります。日本でも同じですね。

上流の重慶まで全長約600キロの巨大なダム湖ができる事になります。洪水防止や発電などが目的とされているが、これまでに計約113万人が移転させられました。この数は今までで最高だった三門峡ダム40万人を遙かに越えるものです。本当に移転後の「満足や安心」が得られたのか疑問です。日本や欧米では考えられない事です。当然人権問題に発展します。

また、水質汚染希少生物の減少など生態環境への悪影響も心配されているます。
環境保全や環境保護を歌っている割には「環境支出」はあまりにも貧弱と言われています。政府の高級立案者たちは、まだソビエト的志向を反映する壮大なプロジェクトに魅せられているのては無いかと言われたりもしています。

今後二兆円以上投資したリターンを政府はどの様に回収するのでしょうか。

 

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