BrainSellers.com

Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

いわしの立場

2005.10.02

いわしの立場を弁解します。

東京近郊の漁場で取れる「いわし」の内、神奈川県水産技術センターで「まいわし、かたくちいわし、しらす」の漁況経過と2ヶ月予報をしています。中々ユニークでしょう。最近の漁業組合も。「マイワシ」の場合は主として「定置網」の漁獲高によって水揚げが左右されます。定置網については後で説明しますが、いわしの回遊する特徴をうまく利用した人間の頭脳プレーの賜物です。それによると7月のマイワシの総水揚げ量は「30トン」で前年同期の335トンを大きく〔!!〕下回っています。驚異的に下がっているといっていも良いですね。漁師は水商売ですから仕方なのです。先月の8月はに中羽イワシへと成長した0歳魚が意外と捕獲され水揚げ量も60トンです。(前年同期26トン) この中羽イワシというのが「刺身でも塩焼きでも煮ても開き」にしても最高なのです。平均単価は、全国的に水揚げ量が少ないこともあってか、この大きさでも100~150円/kgということでした。高いんだが安いんだかわかりません。
次に「かたくちいわし」ですが、定置網における7月のカタクチイワシ総水揚げ量は400トンで、昨年同期(115トン)の約四倍です。8月も引き続き長井~鎌倉・腰越地区を中心に、計300トンで昨年同期(158トン)を上回り豊漁ですね。こんな事を聞くと「いわし絶滅」騒ぎがウソの様ですね。

門にさして、を(お)がまるるなり、赤いわし」一茶の句です。
節分の夜に、ひいらぎの枝にいわしの頭を通し、戸口に刺しておく風習がありました。勿論僕の子供の頃祖母が器用に作っているのを見たこともありますし、近所の家々もみんなありました。その後「その日にやってくる鬼を追い払うため」と聞かされました。ひいらぎの枝ですが「目突き柴」もしくは「鬼の目さし」とも呼ばれていますが、そこになぜいわしの頭が必要かまではとんと判りません。
「いわしの頭も信心から」と言う言葉も昔ありました。
この場合の「いわしの頭」は最もつまらないものというたとえでしょうか?
いわし食ったる鍋のつる」という言葉も悪い事をした仲間同士のつながりをさすものです。これも良く小学生の頃仲間と悪さをすると祖母に言われた言葉です。「いわしで精進落ち」も同様な意味があるのでしょう。いずれにしても僕の大好きな「いわし」にまつわるいい言葉は見つかり難い。「味良く、栄養価高く、健康食品として最も安価で手に入れ安く、料理もし易い」万能の食材がなぜか分が悪い。この差別はどこから生まれたのでしょうか?!


神奈川県水産技術センター
神奈川県下のまいわし、かたくちいわし、しらすの漁況経過と2ヶ月予報

速さと美しさ追求

長崎市上西山町の諏訪神社にて"伝統の「右回し2回半」を威勢よく披露する根曳衆"という昔気質の踊りで「魚に対する感謝」する町がある。以下は長崎新聞掲載の抜粋だがより詳しくはリンク先に。
『長さ五メートル・重さ1.5㌧の船体「右回し二回半」―。時代の流れとともに、新たな技に挑む踊り町が増える中、かたくなに伝統を守る魚の町。その証しこそが、時計回り二回半の船回し。総勢十六人の根曳(ねびき)衆が動き始めれば、船を止めることはない。威勢よく一気に回転する姿は勇壮そのものだ。』

魚を取って生計を立てている町は「海洋資源」と「生活」を昔からうまくバランスをとってきました。それがこの踊りに現れているのでしょう。漁師のスキルは高度なソフトウェア開発技術に匹敵するほど「経験と勘と頭脳」を必要とします。しかし仕掛けがより巨大化すると漁師の能力でなく、ビジネスになりますね。農業も同じですが。

その捕獲方法の研究により長い間大漁に次ぐ大漁を誇っていた「いわし」ですが、近年は日本の周辺の海では漁獲高がどんどん減少し、値段が高騰しています。「お寿司屋さん」でも大好きな「萬久満(まんくま)」でも、「今日、いわしは?」と聞くと五回に三回は築地で手に入れられなかった事を聞きます。逆に米国周辺の海では漁獲高が上がっているそうです。皮肉ですね。米国人は「いわし」は肥料として取引しています。勿論日本に輸入した場合は「冷凍」ですよね。あぁ。そんなの食べたくない。いずれにしても漁獲高の減少は深刻な問題です。「いわし」の減少は植物連鎖の枠を崩します。
さぁ。どうする。

 

Copyright(c) BrainSellers.com Corp. All rights reserved.