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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

秋の味覚

2007.10.25

先日、赤坂の「籠や」で秋の味覚の「秋刀魚(サンマ)」と「(いわし)」を食べました。

日本の沿岸で捕獲できる鰯類のうち、「マイワシ」「カタクチイワシ」「ウルメイワシ」がもっとも見慣れた魚でしょう。
ボクの田舎では、マイワシだけ特別にフル・ネームでいって、後は、単に「カタクチ」「ウルメ」でした。最近ぐっと漁獲高が減ったマイワシですが、体に七個の黒い斑点が並んでいます。
なので昔の人は「七つ星」と風流に呼んでいた事は覚えています。
マイワシはその体長によって呼び名があります。マグロ等の出世魚とは違った意味合いですが、
体長が最も大きい16㎝以上のものを「大羽(オオバ)」、
12㎝を下回るものを「中羽(チューバ)」、
10㎝以下のものを「小羽(ショーバ)」と呼び分けています。
鰯は総体的、昭和の初期には年間百万トン以上も捕れたそうです。年間捕獲高には何度か波があるようですが、現在は二十万トン前後でしょう。その波の周期を40年周期という人もいます。昔から鰯の有名な産地は千葉県の銚子、福島県の小名浜、宮城県の石巻でしたね。いまも量は別にしても、産地は変わりません。

件の「籠や」の鰯は「マイワシの梅煮」です。ご主人兼板前の佐々木さんの定番メニューです。この鰯の梅煮を期待して食べに来る固定客も多いと聞きます。僕もその一人ですが。
この店の鰯はいわゆる「大羽ないし中羽」です。この季節は最も油が乗っていて、うまみがあります。
もちろん鮮度がよければ「刺身」でも、「ぬた」、でも「酢の物」にも可能です。サンマ同様ジュージュー焼いた「塩焼き」に大根おろしを添えて醤油かけて食べるのも最高です。
祖母は「ぬた」の名人でした。子供のころは当然食べませんが、最近はとても好きになり、食べるたびに必然的に祖母を思い出します。
「酢の物」も健康にいいですね。鰯そのものは栄養価も高いし、酢は体にいい訳ですが、ダブルでいいですね。
また、煮魚ほど鮮度を求められますが、籠やの鮮度は抜群です。

ボクの子供のころは館山湾(千葉県)の生簀(いけす)の「カタクチ鰯」は活き餌を求める仲買人に売る商売をしていましたし、九十九里浜の「めざし」も有名で、これもカタクチ鰯でした。
祖母や母はこのカタクチを背中が黒いので「せぐろ」と呼んでいました。昔からの土地の呼び名です。体がまるっこいので「マル」と呼ぶ地方もあるそうです。
祖母もやはり、めざしにして毎年冬になる直前に送ってくれたものです。出来上がるまでの手間と水の冷たさに耐えながら刺す鰯の味は祖母とイメージが重なって忘れられません。
このカタクチの体の透き通った稚魚が「シラス」です。
さっと湯を通して干したものを「シラス干し」といますが、地方によっては「チリメン」ともいいますね。
シラスがちょっと大きくなると、お正月に出で来る「ゴマメ」の鰯です。正月料理の田作りの材料に欠かせませんね。
「ウルメ鰯」はボクの田舎ではあまり取れませんでした。
でも「干物」にすると最高においしいです。

秋は何でもおいしいですが、
一度「籠や」のサンマと鰯をお試しあれ。

 

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