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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

ふじ丸と修学旅行

2006.06.05

男子が「15歳」になると論語の有名な「吾十有五にして学に志す」となります。
一般には「志学」という言葉で表現していますね。では、女子はというと、「笄年(けいねん)」という少々難しい呼び名になります。また、笄年は15歳でなく20歳という説もあるそうです。
」は「(かんざし)」の事です。女子が始めてかんざしを刺す年齢という事になります。その意味では古代感覚では15歳の方が妥当に思えます。20歳でかんざしは少々遅い感じがしますが。15歳は現代で言えば中学生です。
ついでに「16歳の女子」に対して「破瓜( はか)という特別な呼び名があります。
」という字を分割すると「八が二つ」なので、「8x2」で16歳ということらしいです。医学用語にも特別意味があるそうですがここでは割愛します。 昔はこのころが思春期で、きっとお嫁入り先を考える時期ということだったのでしょう。

そして、「二十歳の男子」を「弱冠(じゃっかん)」と呼ぶことは誰でもが知っているここと思います。ですが日本では18歳で弱冠とか使っていますね。この辺は日本が勝手に通用させた言葉で現代でもごく一般的になってしまいました。古代中国では、男子の20歳を「」といい、その歳になると元服して「」をかぶったことから、「弱冠」といい表したそうです。女子は「破瓜」で、男子より先に大人になってしまったと言うわけでしょうか、二十歳の女性には特に呼び名はありません。日本ではなぜか「弱冠18歳の若き女性」とか使っちゃいますね。考えるとおかしい(笑)。。中国故事と相当開きがあるようです。古来でも現代でも女性の方が早く大人びてしまうのでしょう。

さて、豪華客船で修学旅行をしているのは16歳と17歳の高校生たちです。女子ならば全員が大人の仲間入りで、男子ならば弱冠まであと二年を要す「ガキ」(失礼!)と言うことになります。


〔高校生が乗り込んだクルーズシップ・ふじ丸/商船三井客船株式会社所属〕
新にっぽん丸の老朽化と客船ブームに後押しされた形で新造された日本最大級の客船
□ふじ丸の概要
総トン数 23,235トン/全長…167メートル/航海速力 常用18ノット・最大21ノット/エンジン 10,700馬力×2基/船客定員 326(最大600)名

日本の中・高生の修学旅行がこんな豪華になり始めたのは何時ごろからなんでしょう!?

日本最大級の豪華客船「ふじ丸」に400人以上の奈良の高校生を乗せて大阪→鹿児島→大阪というクルーズをしたそうです。「ふじ丸」に修学旅行の高校生を乗せたのは始めての試みとか。
クルーズシップ・ふじ丸」は商船三井客船株式会社の所有ですが、現在では「日本チャータークルーズ株式会社」がドライブしています。商船三井客船自体が自主運営せず自治体や団体向けのチャータークルーズを行う日本チャータークルーズ株式会社に任せたことは「低価格」と「近距離クルーズ」の企画によって誰でもが楽しめる「客船」になったともいえます。以前ブログした「客船よ!!」にもある通り「豪華客船の旅を割安料金で提供する〔都民クルーズ〕事業」もその一環ということになります。

クルーズシップとわざわざこだわっているには訳があります。一般的には「乗客」を運ぶ客船としては二種類あります。ひとつは「クルーズシップ」と、もうひとつは「遠洋定期客船」です。どちらも航海区域が遠洋であること同じですが、違いはいろいろあります。遠洋定期客船は、荒天時でも「定期」の意味合い上、荒れた海でも大海を横断出来る「仕様」にしてあります。船体設計は滑らかで比較的背〔船の高さ〕が低く、速力が出るようにしています。クルーズシップの「ふじ丸」の最高速度は21ノットで常用航海速度は16-18ノットと言うところでしょう。早く走る必要が無いのです。遠洋定期客船の高速船は29-32ノット程度出せる船があります。この船は「乗客」だけでなく「貨物」も運びます。船内の配置も、クルーズ船のようにけばけばしくなく(豪華でなく)、遠洋を横断する間、乗客が洋上で過ごせるよう快適な部屋のバランスが強調されているといわれています。

その反対に「クルーズシップ」は平坦な側面の船体(風の影響をとっても受けやすい船体構造)で、背が高く広くなる傾向にあります。娯楽施設も満載で、多くの乗客を乗せたい為に空間がどうしても必要となります。これは必然的にトップヘビーになります。但し、すべての乗客が気持ちの良い空や海や汐の匂いなどをを楽しめるよう、窓は広く、ベランダや甲板の空間があるように設計されています。そして目的地まで寄港を繰り返しながら航海をします。
目的は「クルーズ」なんです。船旅そのものを楽しむものなのです。
このことに尽きるので究極的言い方をすれば、目的地が目標ではないとも言えます。

さて、
破瓜」となった女子高校生と「弱冠」より少し手前の男子高校生達はこの航海を通して、航路でなく自身の人生の「目的地(目標)」を探すことが出来たのでしょうか??!!

 

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