発売直後、巷で何かと話題になっていたiPad。
さすがにその頃のお祭りのような騒々しさは収まりましたが、この、PCでも携帯でもない
新しいツールを通じてどのような製品やサービスが今後提供出来るのか、様々な企業の
企画会議等で話題に上っているかと思います。
biz-Stream4.5.3のリリースも無事行われ、製品開発部では一息
つきたい所ですが、biz-Streamの今後やこれから新しく開発する製品や
サービスについて、昼夜休まず議論が繰り広げられています。
その製品開発会議の中でも、このiPadの話が出たのですが、数名の新し物好きな社員が
個人的に購入してはいたものの、社内では未だ触れた事の無い人間がほとんどでした。
まずは使ってみてどういう物かを知らなければ始まらないだろう。。
と言う事で先日、「製品開発テスト用」という名目で1台導入されました。
さて。。届いたiPadを実際手に取り、「もうちょっと軽ければ。。」とか「デフォルトでUSBポートが
あれば。。」等々、個人的な感想もあるのですが、それはさておき。。
QAとしてまず気になったのはやはり、biz-Streamが使えるか?と言う事。
もちろん、iPad用のアプリではないので、現状のままでは、例えばライブラリや、ダイレクト印刷の
機能をiPad本体の中で動かす事は出来ません。
しかし、biz-Stream Webサービスサーバ(以下「WSS」)に対するクライアントとして使用するのであれば、
ブラウザ上でJSPやServletさえ動かせれば良いのだから、使用可能なのでは?と、思い立ちました。
懸念されるのは、iPadで使用するブラウザであるSafari上で動くだろうか?
という点です。
そこで、早速試してみました。
WindowsServer上にWSSと製品付属のサンプルアプリケーションの環境を構築、iPadを
クライアントとして使用してアクセスし、WSS_Sample1を実行してみます。
うまく出力出来たようです。リポジトリ上にPDFが生成されました。
リポジトリにアクセスする際に聞かれるユーザーIDとパスワードを
入力します。
この設定は、biz-Stream導入時のデフォルトの設定のままにしてあります。
出力したPDFがブラウザ上に表示されました。
もちろん、上記はWSSのサンプルのうちの1つを実行出来たのに過ぎませんが、
このサンプルを応用してレイアウトのパターンを変える事で、通常のリリーステストで使用する
全てのデータパターンをリポジトリにPDF出力したり、出力したPDFをメールに添付して送信
する事が出来ました。
出力したPDFの表示については、特殊な仕掛けが施してあるPDF、例えばJavaScriptが
埋め込まれていたり、透かしが入っていたり。。というPDFについては、Scriptが有効になら
なかったり、透かしが表示されなかったり。。と、PCで表示させた場合と若干異なる部分が
ありましたが、概ね表示させる事が出来ました。
同様にExcel出力も試してみました。(WSS_Sample2)
こちらのサンプルはアプリケーションのローカルドライブにファイルを出力する仕様になっているのですが、
出力先をTomcatのROOTディレクトリ上に指定してブラウザ上で確認出来るように細工してみました。
PCで見た場合と表示が多少異なるデータパターンはありましたが、見る事が出来ました。
(但し、出力したファイルをブラウザ上で閲覧するには、あらかじめiPadにPDFや
Excelファイルを再生出来るアプリケーションがインストールされている必要があります。)
ブラウザ経由ではなく、ライブラリからiPad本体へ出力したPDFやExcelファイルをそのまま
保存したり、iPad本体からWSSへsoapメッセージを直接送信したり、ダイレクト印刷を実行する
ような機能は、iPadと連携する機能が実装出来ていない今の段階では使えないようです。
そのため現状ではiPadはWSSのクライアントとして「要件を満たしています」とは言い切れないのですが、
今後、iPadが何処までビジネスの領域で導入されるのか?
も含めて検討する必要に迫られた場合、iPad上でも使用出来るアプリとしてバージョンアップ
する事も可能だと思われます。