テスト環境の仮想化

biz-Stream4.5.3の開発作業もほぼ最終段階に入り、QAはいよいよ今週から製品テストのフェーズに入りました。

 開発チームがアプリの修正や更新を行っている間にテストの準備作業を進め、VMWare上で
50近くの仮想環境を用意しました。

 何故それだけの環境が必要かというと、WindowsXPやVista等、OSの種類はもちろんですが、
そのOSに搭載されるJREやブラウザのバージョン、検証する対象のbiz-Streamでも、クライアント、
アプリケーション、サーバー、それぞれの用途や機能で環境を住み分けて構築しているからです。

 もちろん、1台のマシン上に複数のミドルウェアやbiz-Streamの機能を詰め込んだ状態で
構築する事も可能ではあります。
 実際、今ほど仮想化の技術が普及していなかった時代、アプリケーションの製品テストは
数台の実機マシン上で、OS自体もデュアルブートで起動するような構成にし、様々な条件を
集約した環境を作ってテストを行うしかありませんでした。
物理的に使用出来るマシンの台数が限られていたからです。

 しかし、そういった混沌とした環境でテストを実施するとオペレーションも煩雑になりがちで、
検証結果も分かりにくくなります。

開発作業中のテストであれば、環境を整理する事よりもまず、早く検証結果を出す事が優先
されます。しかし製品テストの場合、そうは行きません。
 誤動作、誤認識のリスクを極力避けるために、検証対象の機能・条件以外の要素は出来る限り
テスト環境から排除した方が良いのです。

 テストを実施している際に起きた問題ならば、その場ですぐ報告出来るので記憶を遡る必要
はないのですが、リリースしてからしばらくして何か不具合が発覚した場合
 「あの環境、条件でテストした時、結果はどうだったっけ・・?」
という事態にしばしば陥ります。

 そういう時のために、製品テストは検証作業そのものはもちろんですが、結果を分かりやすく
残しておく事も重要です。

VMWareはESXiになってから、Snapshotというマシンの状態を保存する機能を、32世代取れる
ようになりました。そして、保存した状態はコンソールのスナップショットマネージャでツリー状に
表示され、管理する事が出来ます。

 1つのOS上でも、様々なバリエーションでテストしなければならないQAにとって、
この機能はとても重宝します。

判定結果が記述されたテスト仕様書やテスト時に出力したPDF、Excel、印刷画面やLog等の
ファイル類だけでなく「テストを行った際のPCの環境・設定・条件」をそのまま保存しておく事が
出来るわけです。

スナップショットマネージャで設定・状態を管理

 単純に考えても、今回構築した50台近くの環境を実機で全て揃えたとしたら弊社のオフィスや
サーバールームは、テストPCだけで埋まってしまいます。
増してや、実機の環境であれば各1台毎にLANケーブル、電源ケーブル、ディスプレイケーブルが
それぞれ物理的に付随していなければならない事を考えたら・・気が遠くなります。

 そんな、テスト環境を日々構築するうえで、仮想化環境ならではの利便性を改めて感じさせて
くれた事例を1つご紹介します。

 社内でVMのホストとして使用できるマシンのリソースにも限りはあるので、個々のゲスト環境を
構築する際、確保するディスク容量は必要最小限に留める事にしているのですが、
WindowsXP上でMicrosoftのVisualStudio等、開発ツールをインストールした特殊な環境を準備
する時、うっかりいつものようにHDの容量がたった8GBしかない状態で、ゲストを作ってしまいました。

 VMコンソールの設定メニューでHDを20GBに増量したのですが、基のOSがパーティションを
8GBとしか認識していないので、OSのディスク管理メニューで確認しても「未割り当て」の領域
が12GB増えたに過ぎません。。

XPや2003Serverには「diskpart.exe」という、パーティション管理のコマンドが標準で装備されていますが、
システム領域に対してこのコマンドを実行する事は出来ません。
(※Vistaや7ならば、OS上のディスク管理ツール)上で領域の拡張と圧縮が可能です)

そこで、別のXPのゲスト上にこのマシンのHDをマウントさせてdiskpart.exeを実行し、
領域を拡張しました。

実機で同じ事を行おうとすると、筐体からHDを取り外して別のPCに付け替えて認識させ、
拡張したら再び取り外して元の筐体に戻して・・という非常に面倒な作業になります。

 それが、管理コンソール上でプチッとやるだけで、瞬時に出来てしまうのです。

 VMを使いこなしている方ならば「何を今更・・」と思われるような事かもしれませんが、
「サーバーの仮想化って、何か良い事があるの?」という質問に対する、明確な回答の1つ
になり得る事例だと思います。

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