障害票の書き方。

このブログは開発の中の人が交代で書いているのですが
べつに誰が何を担当するか決められているわけではありません。
でもなんとなくみんな連載みたいになりつつあります。
私は製品の品質をチェックするテストについて連載しているようです。
なのでテストについての3回目です。
今回は文句のつけようが無い報告書(障害票)の書き方。

障害や問題を発見したときには報告書を書きます。
ソフトウェアのテストだろうが、電化製品や玩具など製品のテストだろうが
障害票を書いて報告をするのは同じだと思います。

今日は障害票を書くときに気をつけることを書きます。
焦って報告に行く前に以下の3つを確認してください。

1.現象の確認
2.再現環境の確認
3.再現手順の確立

1.現象の確認

障害はちゃんと起きてますか?

勘違いとかオペミスじゃないですか?
テストをしていて何かが変だと思うには、正常なときの動作を把握している必要があります。
正常なときの動作を勘違いしていると、変じゃないのに障害が起きていると思ってしまいます。
それは本当に障害なのかまず確認しましょう。

2.再現環境の確認

その障害はどんな環境でも発生しますか?
障害は1回の手順だけで確実に発生するものと
条件によって起きたり起きなかったりするものがあります。
後者の場合、せっかく障害を見つけてもその発生する条件を上手く見つけられない人がいます。
検証の仕方が雑なのです。
条件の探し方を落ち着いて考えてみましょう。

たとえば・・・鉢植えの植物が2つあるとします。
その片方が枯れてしまいました。
1つは日向に置いて水もちゃんとあげてたんですけど
もう1つは日陰に置いて水やるの忘れてましたー。

この状況で、植物が枯れる環境とは?
2つの植物に異なる条件が複数あるからわからない。というのが答えです。

では4つ用意してもう一度やってみましょう。
2つは日向に、もう2つは日陰に置きます。
2つずつ置いたそれぞれの植物の片方だけ水をあげます。
水は同じ回数同じ量をあげます。
本当は温度も測って揃えておきたいところですが
日向と日陰でどうしても差が出てしまうので
温度については極端な温度差がないかだけ確認しておくことにします。

4つをしばらく観察します。
どれが残念なことになるかで枯れる条件がわかると思います。

日向に置いた水をやった植物以外3つとも枯れたら
この植物が枯れない環境とは水と光が揃っていること。

日陰に置いたものだけが枯れたらこの植物は水を必要としないが光が必要。

水をあげなかったもの2つが枯れたら
この植物は水をあげないと枯れてしまうが
光が当たっているかどうかについては関係ない。

このように問題が起きる環境を確認するときには
一度にいろいろな条件を変えたらわけがわからなくなるので
あとで条件を分析できるような条件の変え方をした環境を作って再現のテストをします。

3.再現手順の確立

前の記事の「テスターの心得」で「操作手順を忘れない。」というのを書きました。
障害票を挙げるときはまず問題が起きたときの手順を確認します。
自分のやった操作を忘れていないことは大前提として、
もしかしたら複数の操作を行って問題が起きた場合は
操作の順番を入れ替えたら現象は起きないかもしれません。
そこで、再現手順を確立します。

障害票には、「現象が起きる環境においてその記述に沿って操作を行うと
必ず現象が発生する。」という手順を記載します。

一番良いのは「最短」手順です。
何ひとつ余計なことをしなくてもよい最短の手順がわかりやすくて良いです。

それがわからなければ余計な操作が入っていたとしても
「確実」に現象を再現出来る手順を書きます。

直す担当の人がそれを読んでその通りに実行するのが不可能な
意味不明な手順が記載されていると「再現不可」でせっかくみつけた問題が
直してもらえなくなりますので、誤解のないように書くのも重要です。

これで「意味がわからない」とか「再現できない」と返されることの無い
満点な障害票が書けると思います。
自社の製品の品質を上げるために些細な不具合でも上手く報告していきましょう。

biz-Stream詳細情報  biz-Stream資料請求

超高速!!高機能!! Web帳票ソリューション biz-Stream

オンデマンドかつリアルタイムにビジネスドキュメントを生成する帳票ソリューション