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Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

今が「旬」の三陸の鰹

2005.12.04

鰹の「旬」は今!!

気仙沼港の今シーズンの一本釣り漁船による「鰹(カツオ)」の水揚げが11月30日に終わりました。
僕の子供の頃を思い出すと「鰹と鰹節」は一般家庭の食生活に深く関わり合いを持っていたと思います。その昔、武士が出陣する時「御神酒とスルメ・勝栗・鰹節・昆布」を三宝に飾り酒宴を張った事は小説や時代劇TVでよく知られています。少し前までは「朝の味噌汁」に代表される様に「鰹節」は調味料として万能でした。現代のように科学調味料が主流の食卓でも味にうるさいご家庭はきっと「鰹節や昆布」を上手に活用していると思います。最近の若い婦人は「ダシ」を取らずに味噌汁を作ってしまう豪傑がいるようですが。気仙沼の今シーズンの水揚げ累計は4,600百トン程度。国内ダントツです。二位の千葉県勝浦港が1,400百トンで大きく差があります。やはり鰹のメッカは金華山沖三陸沖の東北水域という事になります。ここには宮古釜石大船渡気仙沼と昔からの漁港が存在します。想像するに「鰹の一本釣り漁船」も年々廃業に追い込まれ、激減しているのでは。「萬久満」のオーナーの戸田さんが「築地市場の仲買問屋」が廃れて行くのを嘆くのと一緒で「鰹の一本釣り漁船」の後継者は殆どいないと言っていいでしょう。先日もTV番組で地中海沿岸のイタリアのシチリア島周辺の漁師の後継者はいないと現地の老漁師が嘆いていました。

鰹は昔から日本近海の南から近づき北へ上りまた南に下るという南北移動を回遊しながら成長します。北限は北から南下してくる親潮(鰹が乗っている海流は黒潮)の「(ふち)」が限界の様です。ここまで北上してきた鰹はUターンして南下を始めます。「下り鰹(稀に戻り鰹という人もいます)」です。黒潮と親潮が交錯する混合水域に「餌の倉庫」があります。ここで丸々と脂肪の乗った「下り鰹」に生まれ変わります。子供の頃よく食卓に鰹が出ましたが美味しいとは思いませんでした。理由は簡単です。南から北上して房総沖に現れた鰹はまだ痩せていて脂肪が少なく「うまみ」から程遠いのです。僕がよく食べた鰹は7月から8月にかけての夏鰹でした。30㌢程度のスマートな鰹でしたね。

稚魚は低緯度付近で生まれ螺旋状の回遊しながら3月ごろ先島諸島(石垣島)の南に現れ、4月から5月にかけて沖縄諸島から鹿児島周辺に近づきます。別なチームは5月に伊豆諸島周辺に現れ、6月になると房総沖まで上ってきます。一般には関東人はこの夏鰹を「」として食べていた訳です。

山口素堂の句に「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」がありますが、昔々江戸っ子にとって四月、五月の鰹は特別なものであったようです。
多分当時は相模湾か外房で取れた鰹と思いますが、これを鮮度を落ちない内に江戸に急送する訳でですので、とても高価であったことは確かでしょう。
たとえば「女房を質においても初鰹は買え」と酔狂な変人もいた訳です。
ですが、食の通人が言うには鰹の本場は気仙沼でもなく、江戸でもなく、「土佐」だそうです。土佐に「皿鉢〔さわち〕料理」という盛り付けがあり、鰹の刺身、酢の物、流し物、揚げ物、寿司などが大皿にすみからすみまでびっしり盛り合わせた、色よし、味よしの申し分のない料理があるそうですよ。
また土佐人は「鰹のたたき」という鰹料理の傑作を編み出しました。鰹はとても血合いが多いですが、藁を燃やして霜降りにする料理はとっても斬新です。脂の乗った鰹を「たたき」で頂くと絶品です。何度か絶品を食べた事があります。ニンニクや味噌、ねぎ、柑橘類の薬味も霜降りに焼いた鰹の身に乗せて、軽くたたき薬味が染み込むとなんとも言えない味となります。「鰹のたたき」の歴史は古く豊臣時代に遡るそうです。
その後「鰹節」も考案されたようです。幕末の土佐は「回天の時代」の推進力なった人物が多く輩出しましたが、その時の殿さんは「山内容堂」ですが、彼は幕末「鰹節」を京大阪に広めて藩の財政に一役買ったそうです。そのとき一緒に「製法」も教えたといわれています。なので九州の山川や枕崎に幕末以来二百年以上の歴史のある「薩摩節」の原点が土佐ということになります。歴史の悪戯でしょうか?

ニュースの中に「高知県佐賀町」の『第123佐賀明神丸』という鰹一本釣り漁船が「一航海」の鰹の水揚げ額で3000万円を越す近年にない売り上げを上げましたが、需要と供給のバランスはどの業種にもあり、その分キロ当たりの価格が低くなるでしょうし、燃料の高騰も気が抜けない要因となります。

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コメント

昔、仙台で”もどり鰹”を食べましたが、脂ものってうまかった記憶があります。

今が旬の鰹、食べたいですね。

投稿者 fukusuke : 2005年12月06日 15:56

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