野生魚の漁獲量が限界
2006.07.16
「マイワシの旬」は寒い冬から春までの間です。
食べ方はまずは「刺身」でしょう。
他に「酢の物」や「なめろう(みそたたき)」や「塩焼き」「鍋もの」と続きます。
子供の頃の記憶ですが、僕の祖母はマイワシの刺身が好物でした。その事をよく知っていた父は祖母のために自分の分を分け与えていました。すると祖母がにっこりと頷いて箸を伸ばしていました記憶があります。父は祖母思いでしたね。
和食屋でよく食べる「しらす」ですが、大根おろしと醤油と合わせると美味です。このしらすが「ウナギ、ニシン目」等の稚魚の総称である事よく知られる事ですが、食料品としてよく使われる「しらす干し」や「ちりめん」などは実はイワシ類の稚魚のことをいいます。いう。その中でいちばん多いのが「カタクチイワシ」で、次に「マイワシ」なんです。
その「マイワシ」に異変が起きつつあります。
築地市場が先月つけた値段は「1匹1,000円以上」です。マイワシ2匹で3000円の中トロを一人分買える値段です。
これは海水の温度上昇などにより漁獲高が激減し、築地に入荷しない事が原因だそうです。
マイワシの漁獲高は「今年2万7,000㌧」となり、全盛期の「160分の1」に減少したようです。
漁師の世界は「遠洋漁業」と「沖合漁業」と「沿岸漁業」とが在ります。
僕の子供の頃は「イワシ」は大げさでなく「いくらでも」欲しいだけ捕れました。マイワシで代表されるイワシ漁は「沿岸漁業」です。
今年のマイワシの漁獲高の大幅減少を示唆するかの様に年々漁獲高は減少です。2000年は66万1000トンもあった漁獲高は2004年には5万㌧に急減しています。因みに直近では1986年の104万㌧があります。
ここ五年間の漁獲高の減少率は全ての漁船に当てはまり、「遠洋漁業で75%減」、「沖合漁業で69%減」、「沿岸漁業で81%減」です。
マイワシが捕れないのも無理はありません。
全てのお魚が減っている事がわかりますね。
「1匹1,000円のイワシ」誰も買えません。
「1リッター10,000円」のガソリンもとても買えませんよね。
日本の漁船について調べてみました。
国内の漁船の保有数は2004年度の調査で34万隻少々です。
このうち遠洋漁業に用いられる「一本つり、はえなわ」に分類される船がもっとも多いのですが、全体の1/3を占める11万隻少々です。
「一本つり」はその殆どが「カツオ船」でしょう。大きさは数十㌧から200㌧程度です。
「延縄(はえなわ)」はマグロ船です。数㌔にわたってロープと餌を流し、マグロの捕る船です。精々500㌧未満です。
トン数別に国内の全漁船を見ると「30万隻が5トン未満」です。このことは遠洋漁業にも5トン未満の漁船が多く使われていることを示しています。とても危険な商売であることには変わりません。
世界の漁場の推移をみると、
過去50年間で、海洋にいる大型捕食魚の個体数は「9割も減少」しているらしいです。特に「タラ、マグロ、ヒラメ」といった多くの一般的な食用魚の漁獲量は、漁船のトン数や船隻数などから「漁獲努力を3倍」にしたにもかかわらず、半減しているとのこと。
世界の漁獲高も国内同様激減しています。
2000年に9600万㌧でピークに達し、2003年には9000万㌧に減少しています。この三年で600㌧も減っています。
漁獲量の多い10種の魚が総漁獲量の3割を占めています。そのうち「7種が限界」だそうです。研究者たちの間ではそれらの漁獲量の増加は今後は期待できないとのこと。
皮肉なことに、海洋資源の破壊のために、各国政府は合計して「毎年150億~300億㌦」もの助成金を支給しています。2001年には、日本で漁業に支払われた助成金は、漁獲高の4分の1(魚価ベース)に相当する25億㌦にも上ります。見方によっては「これらの助成金を廃止」すれば、魚種資源にかかる圧力を緩和できるであろうと。
注意深く管理しなければ、かつては無限であると考えられていた世界の魚資源の限界をはっきりと感じることはそう遠くない未来といえます。
世界の漁場と適切な水産養殖を維持することは、
実は、
「漁師と消費者」だけでなく、次世代の人々にとっても最大の利益となると警鐘しています。
■参考
野生魚の漁獲量が限界/Janet Larsen
http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyindicator2005-5.html
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コメント
最近、EUでうなぎのシラスの輸出規制に関するニュースを聞きました。EUのうなぎのシラスは中国に輸出され、それを養殖したものが日本に入ってきているのです。スペイン料理にうなぎのシラスをオリーブオイルでチリメンジャコのようにして食べる料理があるんですが、大変もったいないと思っていました。でも、ここにあるように我々が日々食べているチリメンジャコ(=シラス)が鰯や鯖の稚魚であることを知りました。しかし、チリメンジャコを毎日食べている人なんて本当にどのくらいいるんでしょうか?それにもかかわらず、毎日、どんなスーパーに行ってもチリメンジャコはおいてあります。あの売れ残りはどこへ行くのか。。。鰻も年中ちょっとしたスーパーならどこでもおいてあります。でも、年中食べている人なんているんでしょうか。。。ノルウェーでは漁獲制限をして漁獲高が回復したと聞いています。われわれも食生活を見直すときがきているじゃないでしょうか?うなぎのシラスのようなことになる前に。われわれは食べないのに卵付きの甘エビやいろんな魚を獲っています。まずは、稚魚と魚類の卵の安易な捕獲をやめることからはじめないと、漁師さんもわれわれ消費者も魚類が食べられない時がくるんではないでしょうか?
投稿者 魚食保護主義 : 2007年12月28日 10:12
マイワシの減少については様々なニュースから知ってはいましたが、ここまでとは知りませんでした。確かに、最近スーパーでイワシを見ることがありませんよね。関西に住んでいて感じるのは、阪神大震災後のイカナゴの販売量の拡大です。年々取り扱うスーパーが増えている反面、「ちょうど良いサイズのものが市場に出回らなくなった」と聞きます。今年は不漁らしいんですが、気候不順ではなく、資源そのものの減少ではないかと懸念しています。
投稿者 trogon : 2007年03月12日 08:22
つい最近銚子港の漁獲高日本一のニュースを聞き、イワシの貢献が大きいと報じられていたので、たまたま河井智康博士の「消えたイワシからの暗号」を読んだばかりなので、気になって今ではいったい水揚げは日本全国でどれくらいになっているのかと思って検索したら、このブログを見つけました。カルタゴのように、世界中から嫌われてしまうような日本人になってはいけないと思うのです。刺身・寿司の食文化を拡げたことで、今度は逆に世界から輸入にも規制が強まってきそうです。
私もウイスキーはジョニクロの試飲会へ行って以来、モルトを4種類(タリスカー・ラガブーリン・カーデユなど)くらい購入し大切に飲んでいます。
投稿者 ツレナイイッケイ : 2007年01月27日 08:19