biz-Streamマニュアルライブラリ共通ガイド第5章 環境の移行5.2 互換性維持について

5.2 互換性維持について

biz-Streamでは仕様変更、不具合の修正などのため、同じレイアウトファイルを使用してもバージョン、リリース等が異なると同じPDFが生成されない場合があります。
旧バージョンとの互換性を維持するには内容に応じて下記の設定をする必要があります。未設定の場合、生成した PDFのレイアウトが崩れて表示される可能性があります。

  • 各リリース情報については『サポート情報』を参照してください。


表示サイズの圧縮が正しく行われない不具合に対する修正

概要 以前のバージョンが v3.10の環境から変更した際に、表やグループ化でのテキスト圧縮処理に問題が発生する場合があります。こちらの詳細については以下のURLを必ずご参照ください。
http://www.brainsellers.com/support/2004/01/post_7.html新しいウィンドウで開く

この修正に対して互換性を維持するには下記のファイルに設定を行います。
バージョン v3.10
対象ファイル xml_compatible.properties
互換オプション
v1.xから変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=false
v2.xから変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=false
v3.00から変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=false
v3.03から変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=false
v3.04x PTFから変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=true
v3.10から変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=true
v3.10x PTFから変更する場合 multitext_narrow_3.1mode=true

グラフのAutoScale機能にmargin-Scaleプロパティを追加

概要 v4.2から、キャンドルチャート、折れ線グラフ、複合グラフに「margin-Scale」プロパティが追加され、AutoScale機能によるY軸目盛の表示を指定できるようになりました。
AutoScale機能を使用する場合「グラフの実データ中の最大値、最小値」「margin-Scale」から算出した結果に合わせてY軸の最大値、最小値を表示します。
バージョン v4.2.0
対象ファイル ページレイアウト
互換オプション
  1. チャートプロパティで、Y軸の最大値、最小値を設定しない場合
    最大値、最小値の指定がされていない場合は、AutoScale機能によりY軸目盛の表示を以下のように動的に決定します。

    v4.1以前のAutoScale機能(margin-Scale プロパティなし)
    margin-Scale プロパティY軸目盛の表示
    -最小値が正の場合:「0」固定
    最小値が負の場合:設定された値
    最大値:「Y軸目盛中の最大値」に合わせて表示
    v4.2以降のAutoScale機能
    margin-Scale プロパティY軸目盛の表示
    設定なし最小値が正の場合:「0」固定
    最小値が負の場合:設定された値
    最大値:「Y軸目盛り中の最大値」に合わせて表示
    設定あり ※1 ※2最小値:「Y軸目盛り中の最小値にmargin-Scaleを対応した値」
    最大値:「Y軸目盛り中の最大値にmargin-Scaleを対応した値」
    に合わせて表示
    「0」を設定 ※2最小値:「Y軸目盛中の最小値」
    最大値:「Y軸目盛中の最大値」
    に合わせて表示
    • ※1「margin-scale」は実データの最大値と最小値の差分に対する百分率(0%~100%)で指定します。
    • ※2「step-value」を指定した場合、最大値/最小値それぞれ外側に一番近い目盛りを値として使います。
      また、step-valueを指定した場合、目盛り位置は "0" を起点に算出します。
      (例)step-value=25の場合、AutoScaleによる最大値、最小値の候補は、0,25,50,75,...となる。
  2. チャートプロパティで、Y軸の最大値、最小値を設定した場合
    最大値、最小値の指定がされている場合は、Y軸目盛の表示は、AutoScaleせずにその値を優先して使用します。


QRコード<barcode2d-qr>の描画サイズに関する修正

概要 QRコード出力する際の仕様がv4.3.4以降とv4.3.3以前で一部異なっています。
QRコード<barcode2d-qr>によって出力されるQRコードで、size 指定を行わなかった場合のQRコードの描画サイズがv4.3.4以降とv4.3.3以前で異なります。
この修正に対して互換性を維持するには下記のファイルに設定を行います。
バージョン v4.3.4
対象ファイル xml_compatible.properties
互換オプション qrcode_module_size_4.3.3=true

イメージ<Image>などにおいて指定した画像ファイルが存在しない場合の仕様変更

概要 イメージ(<Image>)などにおいて指定した画像ファイルが存在しない場合
v4.4.3以前のバージョンでは赤い「×」の画像が替わりに表示されました。
v4.4.3より「×」を表示するか空白で表示するか選択可能になりました。
空白で表示する場合は下記のファイルに設定を行います。 設定を行わない場合は「×」が表示されます。
バージョン v4.4.3
対象ファイル pdf.properties
互換オプション image.badimage=blank

XMLデータソース機能の追加

概要 XMLデータソース機能を追加しました。
バージョン v4.6.0
対象ファイル default_values.properties
互換オプション (v4.9以前の設定)javax.xml.xquery.XQDataSource=net.sf.saxon.xqj.SaxonXQDataSource
(v5.0以降の設定)javax.xml.xquery.XQDataSource=com.saxonica.xqj.SaxonXQDataSource

画像のグレースケールへの変換方法で、NTSC加重平均法オプションを追加

概要 画像のグレースケールへの変換方法で、NTSC加重平均法またはRGB平均法を選択できるようになりました。 グレースケールについてはXMLページレイアウトタグ リファレンス「4.1 イメージ<Image>」をご参照ください。
バージョン v4.6.0
対象ファイル pdf.properties
互換オプション grayscale.algorithm=NTSC

CSVデータソースにカンマが不足しているCSVデータを指定してもエラーとならないように修正

概要 CSVデータソースにカンマが不足しているCSVデータを指定してもエラーとならないように修正しました。
バージョン v4.7.2
対象ファイル default_values.properties
互換オプション datasource.csv.padding=true

ラジオボタンが択一選択とならない不具合を修正

概要 ラジオボタンが択一選択とならない不具合を修正しました。
バージョン v4.9.0
対象ファイル pdf.properties
互換オプション form.uniquename.type=1

<Currency>でバックスラッシュを円記号に置換して出力する

概要 <Currency>に入力したバックスラッシュを円記号に置換するように修正しました。
バージョン v5.0.0
対象ファイル default_values.properties
互換オプション currency.replace.backslash_to_yen=true

mmからptへの単位変換の精度を向上

概要 PDF内部ではサイズ単位をptで保持するため、レイアウトで単位をmmで指定していても内部ではptに変換する処理を行っています。v5ではmmからptへの単位変換の精度を向上しました。
この修正に対して互換性を維持するための対応は不要です。単位変換精度向上を適用するためには下記のファイルに設定を行ってください。
バージョン v5.0.0
対象ファイル ドキュメントレイアウト、ページレイアウト
互換オプション ドキュメントレイアウト<fo:root>タグのversion属性ページレイアウト<layout>タグのversion属性
出力例
v4までのレイアウト(version属性なし)で出力したPDFのページサイズ(A4縦 210.4mm×297.6mm)
v4.9以前のページサイズ
version属性が5.0.0のレイアウトで出力したPDFのページサイズ(A4縦 210mm×297mm)
v5.0ページサイズ

JPEG2000イメージ<JPEG2000XImage>の廃止

概要 JPEG2000イメージ<JPEG2000XImage>を廃止しました。
バージョン v5.0.0
対象ファイル ページレイアウト
互換オプション v4.9以前のレイアウトでJPEG2000イメージを使用している場合は、別途Java Advanced Imaging (JAI) のライブラリをhttp://www.oracle.com/technetwork/java/javasebusiness/downloads/java-archive-downloads-java-client-419417.htmlより取得し、展開されたファイルのうちjai_codec.jar, jai_core.jarの2ファイルをクラスパスに追加しくてださい。
それによりJPEG2000イメージを埋め込むことが可能となります。

イメージ圧縮方式"JPXDecode"の廃止

概要 イメージ圧縮方式の1つである"JPXDecode"を廃止しました。
バージョン v5.0.0
対象ファイル pdf.properties
互換オプション 出荷時の設定はimage.filter=DCT Decodeとなっています。
v5.0以降でもimage.filter=JPXDecodeの設定を利用する場合は、別途Java Advanced Imaging (JAI) のライブラリをhttp://www.oracle.com/technetwork/java/javasebusiness/downloads/java-archive-downloads-java-client-419417.htmlより取得し、展開されたファイルのうちjai_codec.jar, jai_core.jarの2ファイルをクラスパスに追加しくてださい。
それにより画像をJPXDecode方式で出力することが可能となります。

表で小計(subtotal)行、合計(total)行を表示する場合の設定方法の変更

概要 v5.0以降では、表(flow-table/flow-record/hflow-table/hflow-record)でsubtotal行、total行を表示する場合に、name属性をドキュメントレイアウトで定義した集計定義名と一致させる必要があります。
バージョン v5.0.0
対象ファイル ページレイアウト
互換オプション flow-table/flow-record/hflow-table/hflow-recordの name属性の設定方法については 『10.9 サンプルレイアウト(8) - 集計機能を使用したサンプル』の 手順9 を参照してください。