BrainSellers.com

Cutty Sark

Cutty Sarkは常に夢を追い続ける希望の帆船です。I still have a dreamのこころざしを持って海図にない航路を切り開きます。

謙虚さ

2006.10.15

言葉の伝達力

最近弊社のボードメンバーの話題は「企業ビジョンと浸透度」です。
ビジョンという言葉の概念の持つ「強さとむなしさ」を議論としています。
これはボードメンバーの総意で議論が発展したとても貴重な経験でもあり、創業7年目という安定期に入ろうとする時にとても稀有な体験でも在ります。
思い立って提言してくれた役員と賛同したメンバーに感謝する気持ちで一杯です。

実社会に出で30年近くなりますが、ここ10年ほど「心に期する」言葉を自身の心構えにしています。
人類が言葉を発見(発明?)してからその進化は目覚しいものがあります。
言葉によって人に「意思」を伝達するわけですが、
今ではメールやブロク゛によって一気に数百人や数千に伝達できます。
もっと大胆にいえば、数千万、数億の人にメッセージを発する事が可能になりました。
ですが、「意思」の「受け止め方」は残念な事にファイルをコピーすると言うわけには行きません。
そこに言葉の「強さとむなしさ」を思うのです。
起業して数年間社内のメンバーに伝えたい「心に期する言葉」を贈ってきました。
最近はビジネス的な伝達やお願い等で「サボり気味」な心に冒頭の「企業ビジョン」の再確認の議論で強く目覚めさせてくれました。

謙虚になれ。

という言葉が最初のメッセージです。
この言葉の裏側には「謙虚な人ほど志(こころざし)がありプライドが高い」といえます。
一つの例で言うと「あの人はプライドが高い」ということを良く聴きます。
ここでは「プライド」と「面子(めんつ)」を混同しないとことを改めて確認したいと思います。
例えば何かの提案を通したいとき外してはならない人に事前にネゴを行うことが良くあります。それは、その人に了解を得ないと「面子をつぶされた」と感じるからです。プライド持ち「志」を高く持つ人は「面子」を混同しません。
しかし、プライドと「面子」は混同しやすく、且つ難しい問題を潜んでいます。

ここに昔の実際にあった極端な事件(例)をお話します。
氏家幹人著「江戸藩邸物語」という中公新書にでてくる史実です。(長いので抜粋します)

1712年(正徳2年)の陸奥二本松藩で起きた事件です。藩士丹羽又八の14歳の息子六之介と同じ藩士岡田長兵衛の息子で一つ年下の翁介とは仲が良く、ある日「蝉の抜け殻」を二人で見つけます。しかし、その蝉の抜け殻を翁介は奪い取って自分の家に逃げ込んでしまうのです。勿論六之介は追いかけますが、門と門番によって行く手を阻まれてしまいます。

たったこれだけです。
しかし、六之介のとった行動は現代の我々には想像もできない行為となります。
その時、六之介は
大いに憤り、門扉に打ちかかり、自ら腹を切(きり)て死してけり」という行為をします。
元服直前の「僅か14歳」で原因はただの「蝉の抜け殻」です。
武士の面子と自らの命を引き換えると言う行為は歴史的な背景があるものの「面子」はその様な危険な要素を含んでいます。六之介は自らの命を簡単に「意地」と等価交換した事になります。むろん、両家は知行没収です。彼一人の命だけで無く、両家の廃家までも発展します。
もちろん初等教育として六之介はこの様な行為をした場合、自家がどのような「お咎め」があるかは十分に認識していたはずです。それでも六之介は自刃という行為におよびます。
100年も前の事ですが、現代でも形を変えて「全く同じ」行為を目にします。
この本は全てが「面子」の塊のような本です。
さて、謙虚について話を戻します。

・謙虚さは「心」が強靭で無いと保てない心もちです。
・謙虚さに他人から常に「美しさ」を感じさせます。
・謙虚さには「人をひきつける」オーラを感じます。

謙虚さには堅い意思と高い志と自分を律する精神が必要な様です。

拙宅のあるマンションの植栽のうちで「大きな桂の木」が先日剪定されました。
同時に塀の一部を形成している椿の葉や枝もキレイに切り揃えられたのですが、夏の間に青々と且つ伸び伸びと育った枝や葉を広げた桂を毎日見ていた者として剪定された桂の木は可哀想ほど枝を切られ、衣を脱がされた寒々とした感じを受けてしまいます。
しかし、この剪定は寒い冬に多くの日差しを受け止め、水分を蒸発させず、春の為に十分に栄養分を蓄え、より青々と「新たな息吹」を育む必要な行為なのだそうです。

人も全く同じなのでしょう。
武人・武田信玄は「人は石垣、人は城」と実際の城郭を信ぜず、すべては「人」と奥義を語った彼は稀有な人だったようです。

次回は二つの目のキーワード「感謝を知れ」をお話したいと思います。

 

Copyright(c) BrainSellers.com Corp. All rights reserved.